出版社内容情報
紀元9世紀,イングランド南部.アルフレッド王は,攻めよせたバイキング軍の王を包囲したが,慈悲をもって彼を逃がした.が,それがあだとなり,部下の裏切りを招く.『アルフレッド王の戦い』の続編.
内容説明
紀元9世紀、アルフレッド王は攻めよせたバイキング軍の王を包囲したが…。『アルフレッド王の戦い』の続編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルト佐藤
1
前作と違って、三人称的な歴史物語風。それゆえ、裏切りや敵方の視点などがありより複雑な構成となっているが、一方で素朴な力強さに前作より少し劣る。主に感情移入な点。とはいいつつもクライマックス近くの荒ぶる武者たちと戦いは、短くたたみかけるような文体で、心振るわせる。それでも、ただの英雄歎にならず、ご都合主義ではない現実的な解決策に向かっていくのがアルフレッド王の本当の力なのかもしれない。2012/09/22
nrm
1
アルフレッド王の英雄譚。デーン人との戦いを中心に物語としてとても面白かった。あの時代、おそらく宗教が生活と一体化していた時代の最も敬虔な姿と、アルフレッド王の真摯な性格を見たように思います。メモ:849年生- 899年没。日本は平安時代。866年応天門の変。894年遣唐使廃止2010/10/08
rbyawa
1
キリスト教の完全勝利にぴりぴりとする人はいる、とのことなんだけれども、とりあえず、アルフレッド王はいい人だと思う。キリスト教徒って言うより、確かにキリスト教の助けを借りてはいるけれど、なんというのか「アルフレッド王のキリスト教」なんだからいいと思う。最終的にヴァイキングと国を分け合ったときも、あ、こりゃ根負けするわ、となんか思った。しつこいし全然めげないし。小説としても面白かった。2009/11/07