出版社内容情報
人里はなれた静かな川べで,ヒキガエル,アナグマ,モグラなどがひっそりと暮らしています.これらの素朴な動物たちの間におこる,ほほえましい事件のかずかずを描いた,詩情ゆたかな空想物語.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
105
小学校3,4年向けの児童書。作者はスコットランドの人。擬人化されたモグラ、ネズミ、アナグマがリッチなヒキガエルと知り合う。ヒキガエルはお調子者でプライドが高く、軽率な性格であり、人間様の自動車を盗んで露見し監獄に入れられるも、うまく脱獄してモグラたちの元に戻る。その間屋敷はカワウソ、テンなどに不法占拠されており、これを力を合わせて奪回するととともに、ヒキガエルは改心して高慢なその性格をようやく改めることができる。ある種の教養小説的童話であった。挿し絵がよくできていた。G1000。2023/08/05
mocha
84
お人好しの川ネズミ、控えめだけど好奇心旺盛なモグラ、だめだめセレブのヒキガエル、朴訥で頼れるアナグマ。動物達のキャラクターがすごくいい。すぐ増長して酷い目に合うヒキガエルを最後まで見捨てない仲間たちが〈理想の教育者〉のようにも思えた。四季折々の自然も表情豊かで、石井桃子さんの名訳が流れるように美しい。田園ファンタジーという言葉がしっくり来る名作。2019/09/07
アン
67
川辺に住むネズミやヒキガエル達の冒険と友情を描いた微笑ましい物語。暮らしに優劣を見る必要はなく、助け合って生きて行くものだよと、生きる姿勢について著者である父親からのメッセージが込められています。牧歌的で季節感も豊かで和み、我が家というものの大切さが心に沁みます。『クマのプーさん』の作者A・A・ミルン氏が愛してやまない作品であったそう。挿絵はE・H・シェパード氏によるもの。イギリスの名作です。 2019/03/20
ちえ
44
1908年に書かれた児童書の古典。カワネズミ、モグラ、アナグマ、ヒキガエルの個性的なキャラクター、自然やそれぞれの家や生活の様子がいきいきしていて楽しい。動物たちの生活と人間のからみがまた可笑しかったり。副題が「ヒキガエルの冒険」だけれど間に挟まっているお話も味わいがある。「あかつきのパン笛」がなんとも言えず切なくて好き。それにしても懲りないヒキガエル…。アナグマのお説教にうなずいてしまう。挿絵はクマのプーさんのアーネスト・シェパード。これも楽しい。◆ガーディアン選書10002022/08/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
37
挿絵の美しさに心を奪われ、衝動的に買った一冊。お話の始まり方が大好き!自分もモグラと一緒に春の世界に飛び出して、全身で喜びを表現しているような感覚になれる(*´꒳`*)ヒキガエルはどうにも好きになれなかったなぁ・・・。ネズミやカエル、アナグマたちのお話なのに、やけにリアルでとても面白かった♫ところどころの言い回しが心に残り、すごく心地良かった。2020/03/08