出版社内容情報
魔法使いのゲドが影と戦ってから数年後,ここアースシーの世界では,島々の間に争いが絶えない.ゲドは世の中を平和にする力をもつという腕環を求めてアチュアンの墓所へゆき,大巫女アルハと会う.
内容説明
アースシー世界では、島々の間に争いが絶えない。力みなぎるゲドは、平和をもたらすエレス・アクベの腕環を求めて旅し、暗黒の地下迷宮で巫女の少女アルハと出会う。小学6年、中学以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュシュ
33
奴隷のように飼い慣らされた巫女である少女が自由になるまで。いざ自由を目の前にすると怖くなってしまい、巫女のままでいるほうが楽にも思えて苦しむ。でも、自分らしく生きるには勇気を出して自由を選ばないと…。ファンタジーだけど、このようなテーマは現実にもあてはまりそう。少女を自由な世界へ連れ出すゲドが魅力的。『影との戦い』で少年だったゲドが30歳くらいになっていて、すっかり大人の男になっていた。この本は10年以上前にも読んだのだが、自分が年をとったせいか、今回のほうが断然面白く感じた。2018/09/01
jima
21
本の半分過ぎるまでゲドが出てこない。周到なプロローグが後半のテナーの生き方へとつながり、単なるファンタジー小説とは違う世界に。2015/03/16
千加
19
闇に生きるテナー自身との葛藤に物語の光があてられる。ファンタジー はリアルをより濃く映す。🌿彼女が今知り始めていたのは、自由の重さであった。自由はそれをになおうとする者にとって、実に思い荷物である。勝手のわからない大きな荷物である。それは、決して、気楽なものではない。自由は与えられるものではなくて、選択すべきものであり、しかもその選択は、かならずしも容易なものではないのだ。坂道をのぼった先に光があることはわかっていても、重い荷物を負った旅人は、ついにその坂道をのぼりきれずに終わるかもしれない。🌿哲学 2021/08/13
k16
15
20100913読了。 ゲド戦記でありながらゲドの登場までが・・・という印象ではあるが 面白かった。 アルハの葛藤と成長これに尽きる巻かな。2010/09/13
てら
13
ゲド戦記の世界は非常に地味です。エルフもドワーフもおらず、モンスターも死霊とドラゴン(この世界では神に近い)しかいない。魔法使いは「魔法を使わないこと」を誇りにしている。でも、物語は激しく、そして豊穣です。