感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
118
またしても悪戯3人組が活躍。ピーターの作ったバリスタ(古代ローマの投石器)で、石を飛ばしたら、教会のステンドグラスのど真ん中に命中! ちょうど真ん中は透明ガラスだったため、すぐにバレなかったが、その穴からハトが出入りし、教会内に巣を作ってしまった。そこで悪戯がばれ、教会の天井を掃除する罰をくらう。その折、壁がん(壁を窓のように装飾したくぼみ)に、通常は聖像が置かれるのだが、1箇所、空白を見つけ、その謎を解くために3人組が探索を開始。舞台は架空の村だが、細かい描写により、活き活きとした村に仕上がっている。2015/04/14
帽子を編みます
21
『シェパートン大佐の時計』の三人組の続編です。少し成長して登場します。投石機による失敗からの新たな謎、新たな脇役の登場。提督とガンズは楽しい冒険を後押ししてくれます。小聖堂を整備したり、自転車を改造したり、投石機を試したり、楽しい日々が描写されます。ダートムアの冬、突然の雪、大砲を試して、続いて羊を守るための行動、ここでアーサーは一歩大人に近づきます。各人が義務を果たし、つらい作業を頑張りました。厄介な隣人も救出して、謎も解決し大団円。三人の個性、脇役の大人たちも温かく見守ってくれて、楽しい読書でした。2020/07/11
マッピー
19
イギリスのダーンリイ・ミルズに住む3人の少年ピーター、アーサー、デイビドの中学1年生1年間の物語。ピーターは発明や創意工夫が大好き、デイビドは想像力が豊かで手先が器用。アーサーは身体能力が高くて生活力が旺盛。この作品の何が好きなのかというと、毎日遊び惚けているようでちゃんと家の仕事を責任をもって分担し、毎日家の仕事に追われているようで存分に遊んでいるところ。そういう毎日を送ることで、知らず知らず生きていく力がついていくのだと思う。2019/03/11
mahiro
16
ダーンリィ・ミルズシリーズの二作目。三人の少年達がムアの館に越してきた退役海軍将校と知り合い、教会から昔に失われたマリア像を探し投石機をぶっ放し等という1年の物語。足が良くなってもディビドは想像力が豊かで、理系のピーターは改造発明?に熱を上げ、リーダー格のアーサーは羊飼いの跡継ぎとして一つ成長し、荒れ地ローマ時代の道路ヘンリー八世など物語の背景も初読の時と違いわかる。手許にこの本しか無いのが残念だ、児童書は人気作品以外は絶版になり手に入りにくい、シェパートン大佐もシー・ペリル号も一応読んではいるが・・2020/08/06
くみ
15
【第167回海外作品読書会】「シェパートン大佐の時計」の続編。前回の3人、アーサー、デイビド、ピーターも中学生です。のびのびと行動し成長していく彼らとそれを見守る大人たちの関係が絶妙です。退役提督とその従僕ガンズもすごくいいキャラクター。ローマ時代の大砲を再現して実際打ってみようなんてことも子供達と真剣に向き合ってくれる提督。寛容だけど厳格な提督が計画性を発揮、ぴしっとしめてくれます。後半は荒野の自然の厳しさに呆然としました。そしていつも冗談言ってるアーサーの非常時の逞しさには惚れそうです😋2020/10/25