カント全集 〈8〉 判断力批判 上 牧野英二

カント全集 〈8〉 判断力批判 上 牧野英二

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  • サイズ A5判/ページ数 344,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000923484
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C3310

出版社内容情報

『純粋理性批判』『実践理性批判』に続くこの「第三の批判書」では,悟性と理性を媒介する上級の認識能力である判断力を美感的(上巻)・目的論的(下巻)に批判する.現代的課題に充ちた本書を正確で明快な新訳で贈る.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

9
晩年のカントは精神能力として、悟性と理性から判断力を区別するようになる。それはまた存在と当為をつなぐ中間項を見出し、みずからが作り出した二元論を克服しようという試みでもあった。その意味では極めて現代的な意義がある研究で、これを指摘したのはアレントの慧眼であった。だが、アレントが判断力を政治的な方向に引っ張ろうとしたのに対し、カントにおいては自然の合目的性という原理が大きな役割を果たしている。自然はバラバラの特殊なものの寄せ集めではなく統一ある一なるもの。多様なものを悟性に合致させながらつなぐのが判断力。2021/05/26

tieckP(ティークP)

1
『判断力批判』のなかでもバランスのとれた訳文。宇都宮訳に頼って短期間で済ませたもので、おかげで編集者的な視野の広さと余力を得ている。とはいえ前半はかなり難しい。それでも全体に学ぶところは多くて、崇高論や天才論は分かりやすく、かつ哲学者というより思想家としての発想力にもカントが優れていたことを強く感じる。なおaesthetischの訳語を苦心して「美感的」にしたことが述べられているが、下巻に挟まれた小冊子で佐々木健一が「美感的」はありえないと述べていて面目まるつぶれというか。まあ、開かれた議論ということで。2014/01/11

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