出版社内容情報
「科学者の随筆家」として親しまれ,夏目漱石にも称賛された文才と科学者の視線を兼ね備えた独自の文章で,多くの読者に支持されている寺田寅彦.旧全集を全面的に見直し,随筆をテーマ別に再編集して各巻に解説を付し,さらにローマ字を和文表記にし,新字体新かな表記を採用するなど,より親しみやすい新全集を刊行します.
目次
津田青楓君の画と南画の芸術的価値
自画像
帝展を見ざるの記
ある日の経験
浮世絵の曲線
二科会展覧会雑感
中村彝氏の追憶
二科会その他
昭和二年の二科会と美術院
二科狂想行進曲〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaorie
11
絵画や映画に関する随筆。キネマ旬報にも寺田さんの随筆が掲載されたというのは驚き。寺田さんの映画に関する随筆はエイゼンシュタインが確立したモンタージュ理論と俳諧の関連性に始まり、映画と人間の生理現象を絡めたり、かなり専門的に映画を観ていたようだ。半年で33回映画館に行くとか相当な映画好きだと思われる。私も好きなフレッド アステアやマレーネ ディートリッヒの名前が出て来ると時代を超えて繋がりができたようで嬉しい。イタリアの雑誌に寄稿した英文の随筆もあるが、難しそうなので一旦スルー。ごめんなさい。必ず読みます。2014/06/04
いちはじめ
0
絵画や映画に関するエッセイを集めたこの巻は、科学者としてより漱石門下としての面目躍如といったところか。2011/01/27