内容説明
どんな顔?えっ渡り鳥なの?減ってるって本当?意外と見えてない愛すべき隣人のすべて。
目次
1 スズメの誕生
2 スズメの素顔
3 人がいないと生きていけない?―奇妙な鳥、スズメ
4 日本史の名脇役―微妙な距離で二千年
5 農害鳥スズメ
6 スズメが減ってるって本当?―スズメ受難の時代
7 人とスズメの未来
著者等紹介
三上修[ミカミオサム]
1974年松江市生まれ。2004年東北大学大学院博士課程修了。博士(理学)。鳥の行動や生態についての研究を専門としている。2008年から都市の鳥類の研究をはじめ、そのころからスズメの研究も本格化した。最近は、神社や寺に生息する鳥類についても研究。現在、岩手医科大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
380
スズメと人間の2000年に及ばんとする長いお付き合いのお話。そして、スズメの奇妙な生態。鳥はもちろんほとんどの野生動物たちは人間との接点を嫌うのに、ことスズメだけは好き好んで人間の生活圏に生息するのだから。日本でのスズメの記録は『古事記』に登場して以来、今に至るまで実に脈々と。ことさらに江戸人たちには好まれたようだ。そんなスズメだが、現在はかつてに比べると半減しているとか。原因は様々にあるようだが、それでも幸いにもいなくなることはないようだとの予測。あんなにありふれてはいても、いないと寂しいに違いない。2017/04/13
kinkin
108
スズメ・・・あまりに身近すぎる鳥。しかしその生態は知らないことが多い。スズメという鳥は人間嫌いだが人の住んでいるところに営巣するということ、日中は田畑で餌を捕り夜になると町中に戻ってくる、他知らなかったスズメの事が平易に解説されていて読みやすかった。食文化としてのスズメのことも書かれていた。しかしスズメはその数を減らしているということだ。気にして朝に鳥の鳴き声に耳をすますとムクドリが多いことに気づく。チュンチュンという鳴き声で目が覚めるというのは、もう昔の話だろうか・・・図書館本2022/04/11
小梅
106
スズメの生態を優しく書いてあります。挿し絵のイラストが可愛いなぁ〜と思ったら、とりのなん子さんでした♡2014/10/09
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
89
(2023-29)【図書館本】著者はどうやら私がいたサークルの数代後の後輩らしい。「私は野鳥の名前などわかりません」と言う人でもスズメならば知っている。「つかず・はなれず」のタイトルの通りに人間の生活に密着している野鳥。でもそんなスズメが日本に何羽くらいいるのか?そんなことさえこれまで調べられていなかったとは!しかもそんな身近な存在のスズメの数もこの二十年で急速に減っているとのこと。あのチュンチュンと鳴く可愛い姿がいなくなってしまうのは寂しい。表紙や本文中の挿絵はなんとあのとりのなん子さん。★★★★2023/04/06
へくとぱすかる
77
「ザ・普通の鳥」というキャッチフレーズに、思わず笑みがこぼれる。シリーズ中でも非常に読みやすい。身近な野鳥であるスズメをテーマにした楽しい本。人里だけに住み、なのに人を避ける生態は不思議だが、過去、人間が食用として大量に捕獲していた歴史を考えれば、人間をこわがるのも無理はない。ここ20年ほど、スズメが減少していることに危機感を抱かざるをえない。生態系の単純化は、生きもの世界に、ひいては人間にとっても大変な危機。スズメを絶滅危惧種にしないためにも、正しい自然保護を、今からでも実行するべきだと思う。2014/12/10