出版社内容情報
いま小学校の算数で「6人に4個ずつミカンを配ると,ミカンは何個必要ですか」という問題に,6×4=24という式を書くとバツにされる.かける順序は本来どちらでもよいはず.算数教育にまつわる問題点をよくよく考えてみると,かけ算や数の数え方には,意外にも深いものを秘め
内容説明
小学校の算数で「6人に4個ずつミカンを配ると、何個必要ですか」という問題に、6×4=24という式を書くとバツにされる。かける順序は本来どちらでもよいはず。あらためてかけ算の意味や考え方、その歴史をみてみると、意外にも奥深いものが秘められていた。算数の始まりから見えてくる数や量の世界をわかりやすく紹介する。
目次
第1章 4×6と6×4は違うのか(かけ算の式の順序が違うとバツになる;今の「かけ算」の教え方;昔の「かけ算」の教え方 ほか)
第2章 九九の来た道(文科省が九九の表から期待していること;九九の表を見直す;「総九九」と「半九九」 ほか)
第3章 なぜ2時から5時までは3時間で、2日から5日までは4日間なのか(10の真ん中は5なのか;2時から5時までは3時間、2日から5日までは4日間;時の流れは分離量か連続量か)
著者等紹介
高橋誠[タカハシマコト]
1948年生まれ。算数教育史家、ライター。東京大学文学部倫理学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びすけっと
15
2011年5月刊。遠征先図書館出会い本。タイトルだけ見ると「はぁ?」な本。「6人にみかんを4個ずつ配るには、みかんはいくつ必要ですか」の問いに24個と答えはすぐ出る。算数で問われるのはそれをどうやって導いたか、いわゆる「式」である。6×4では間違いで、4×6が正当らしい。(1つ分の数)×(いくつ分)と表すのが良いとされているそうな。数式で考え方を書かせるだけではなく「絵で見ると・・・」を書かせれば6×4でも○になることがあろう。私が違和感なのは、欧米式を元にした請求書等の「分量×単価」である。逆じゃん!2015/08/05
がっち
11
最近の小学校教育ってなんか方向性まちがってない?ッて雰囲気。昔、CMでテストが□×○=36 やら△×☆=8 やらフィンランドの教育はたのしい!っていうものを思い出した。日本語のテストなのか、算数なのかそこが問題か。2012/02/03
kenitirokikuti
7
算数の文章題で、かけ算の順序が正しくない場合には答えは丸でも式の部分が不正解とされることがある。それにまつわる教育史的なお話である。いまは、かけ算→九九の暗記→割り算、という順番で教わるが、むかしは実用算術として、珠算のためにかけ算の九九と割り算の九九を習ったので、前提が違うのだ。そのほか、江戸時代までは時間を連続量として数えており…まぁ、「かぞえ年」とかああいうの。「明後日」の3倍は6日間なのか?って問われたら戸惑うように、そんなに簡単ではないようだ。2018/02/17
樋口佳之
7
6×4でも4×6でも、式を立てたその子が式の意味を正しく説明できるなら丸で良いのでは?むしろ式の意味を説明できないならどちらでも丸に出来るか怪しいところ。/順序付きで習ったと書かれておられる方がそれなりにいらっしゃるのが驚き。自分はどうだったのかな?2016/12/29
hippos
6
最近の話題かと思っていたけどずいぶん昔から話題になってたんだね。僕自身は言葉遊びに陥ってしまってはまずいけど、文意を汲んだ式を立てること(問題の理解に)は重要だと思う。2015/08/09