内容説明
戦後の日本ではそれまでの内務省による検閲に代わり、GHQによる検閲と宣伝工作が展開された。メリーランド大学プランゲ文庫やアメリカ国立公文書館など、アメリカ合衆国において完全な形で保存されてきた検閲資料を丹念に調査し、検閲組織とその実態を明らかにする。そして、朝日新聞とNHKなどの組織や、緒方竹虎、永井荷風といった著名人たちが、占領下の検閲・諜報・宣伝活動にどのように関わり、翻弄されたかを検証し、許された言語空間、奨励された言論活動とは何だったのかを問う。
目次
第1章 GHQ/SCAPによる多様な工作(CCDを通じた検閲工作;通信検閲とインテリジェンス;メディア検閲と諜報;CCDとCIAの協力関係;CIEの宣伝・宣撫工作)
第2章 通信検閲と諜報工作(重視された郵便検閲;電信・電話検閲による諜報工作;ウォッチ・リストとTOS;PPB部門と通信部門との異なる目的)
第3章 活字メディア検閲(事前検閲の開始;最初から事後検閲のメディア;事後検閲への移行の諸段階;CCD検閲の終わり)
第4章 放送・紙芝居・映画検閲(放送検閲;ピクトリアル・メディア検閲)
第5章 日本人の対応(経験語らぬ日本人検閲者;検閲優等生の朝日新聞;日本共産党メディアのプレス・コード違反事件;右翼の対応;永井荷風とフラタニゼーション)
著者等紹介
山本武利[ヤマモトタケトシ]
1940年愛媛県生まれ。一橋大学商学部を卒業後、同大学大学院社会学研究科に進学。歴史学、社会心理学を学ぶ。早稲田大学名誉教授。一橋大学名誉教授。現在、「20世紀メディア情報データベース」を運営するNPO法人インテリジェンス研究所理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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