出版社内容情報
情報、このあやふやで不完全なもの。
株取引から宇宙開発まで、なぜ人々はこの不確定なものに拠って行動し、あえて疑うことをしないのだろうか。IT技術とプログラム処理一般の由来を明らかにし、ゲームの理論や生物学における応用の危うさを指摘する。情報の操作・悪用に対処するための、情報に対する態度と生き方を考える。
内容説明
情報、このあやふやなもの。徹底的に疑おう。明日の「知」のために。
目次
予断・診断・独断 思考の目付き―遠くの山々の霞を見るように
1 致命的な誤解
2 対立する情報観
3 二〇世紀的発想
4 学際的な概念か
5 Xの哲学では
6 疑心暗鬼の果てに
7 脳は外界を志向する
8 なぜ反情報なのか
著者等紹介
赤木昭夫[アカギアキオ]
1932年、京都生まれ。専攻、科学史・技術論・メディア論。NHK解説委員、慶應義塾大学教授、放送大学教授を歴任後、著述活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サイバーパンツ
10
情報の哲学。タイトルにある反情報は、情報に対して否定的、アンチ情報という意味ではなく、虚実入り交じった情報の洪水に呑まれないために、情報一般に対して徹底的に懐疑的な態度を取るというもの。本書では、サールの志向性の概念を引き、それは哲学として厳密を期しがたいかもしれないが、その不完全さこそが情報の本質であると説くところで終わっている。著者曰く、まだ情報基礎論の見取り図を示したに過ぎず、科学哲学の方面で見られるメタファとしての情報、記号情報との関係などについての議論も必要とのこと。2018/01/08
rymuka
0
http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-66.html の註で引用させていただいた。2019/11/17