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ゲド戦記〈5〉アースシーの風

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000280754
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

内容説明

故郷のゴント島で妻テナー、養女テハヌーと共に静かに余生を送るゲド。竜が暴れだし、ふたたび緊張が高まるアースシー世界。テハヌーは王宮に呼び出され、レバンネン王から重要な使命を与えられる。

著者等紹介

ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
アメリカの作家。1929年、カリフォルニア州バークレー生まれ。父は人類学者A.L.クローバー、母は『イシ』の著者シオドーラ・クローバー。『闇の左手』をはじめとする大人向けSFでヒューゴー賞、ネビュラ賞をはじめ数々の賞に輝く。「ゲド戦記」シリーズでファン層を飛躍的に広げた

清水真砂子[シミズマサコ]
1941年、朝鮮生まれ。青山学院女子短期大学教授。「ゲド戦記」シリーズなど、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

325
全6巻が静かに幕を閉じた。ゲドはもはや大賢人でもないし、魔法使いでさえない。きわめて普通の70歳の老人としてゴントの片隅で年老いていったのである。ただし、ゲドはかつての若き日に「影」との統合を果たしていた。そして、その終幕の姿がこれなのだ。弓を忘れ果てた中島敦の「名人伝」の紀昌を思わないでもない。ル・グインの到達点はあるいは老荘の境地にあったのかもしれない。だとすれば、超越した力や魔法の究極の姿は、あるいは限りなく「無」に近いものなのだろう。ここに見られるのは、まさにル・グインによる二元論の超克である。2017/08/26

ケイ

110
【ゲド戦記】と言うけれど、ゲドがいかに成長して大賢人になったかなど、語られないままのことも多く、この地図が示す世界の物語だなと思う。光と闇は表裏一体。ゲドの戦いは常に闇とである。彼は戦ってばかりでいつも消耗し傷ついているから、ゆっくりとしたラストにはホッとする。しかし、謎があったままでも、三巻で終わっていい物語だったとも思う。一度終わったシリーズを再開させるには理由があるのだろうが、四巻以降にはなにかスッキリしないものも感じる。2016/06/21

Willie the Wildcat

40
心の拠り所、家族。生死を含めた自然界の掟・定めを通した様々な心の乖離も、(地球観での)家族を見つめなおす機会。基点「自由vs.選択」、違いと時間の経過に伴う変化を踏まえた受容と共生。テハヌー、アイリアン、レバンネンがもれなく次世代の架け橋。印象的なのが、その母性故に時に垣間見るテナーの心の葛藤。長い旅路の果てに戻ったゲドの待つ家。正に、”Home, Sweet Home!”温かい・・・。蛇足ですが、『#3 さいはての島へ』を境に、執筆15年強の時間の流れが齎した”変化”があったかもしれないと感じます。2015/08/31

眠る山猫屋

23
世界観がしっかりしている作品は山ほどあるとは思うが、このアースシーは別格なのではないか。本作ではちょっとしか出番がないハイタカ。持てる力全てを使い果たして世界を救い、省みられることのないゲドの生き方。でも彼が救った世界が美しく暖かい。人生の終わりに向かう彼の世界は次第に黄昏ていくけれど、そして今回の事件で大きな変革を迎えるけれど、それでも魅力的だ。この死生感、欧米人ぽくなくて良いね!2015/06/25

21
それぞれが自分と向き合いながらの旅。光と影、生と死、男と女、竜と人間、それぞれの人種。隔てられていた世界が、1つになるのではなく、新しい世界に生まれ変わった? 新しい世界に踏み出した、と言った方がいいのかもしれない。最後のゲドとテナーの語らい、ここは変わらなくて良かった。レビューから、外伝を先に読んだ方がいいと知る。もっと早く知りたかったなぁ。2016/01/29

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