物語コレクション<br> さいはての島へ

  • ポイントキャンペーン

物語コレクション
さいはての島へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000264655
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

大賢人ゲドのもとに,一人の青年が報せをもってきた.彼の国では魔法の力が衰え,人々は無気力になり,まるで国中が死の訪れを待っているようだと.ゲドは青年を連れ見えない敵を求めて旅に出る.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

63
ここにきてテーマがはっきり見えてきました。「生と死」を描こうとしていたのですね。魔法の力を失い始めた島を救うために旅立ったゲドとアレン。ゲドとアレンの関係が師弟、友人、主従という3つを担っているのが良かったと思います。長い旅の中で成長するアレンと全ての力を出し尽くすゲド。人々に「死の不安」を植え付ける魔法使いが「クモ」というのは、恐怖で心を絡めとる様子から見ても言い得ていて妙だなと感じました。壊れて行く世界は混乱をも呼び起こすのでしょう。ゲドがだんだん儚くなってきた印象です。2015/07/14

Die-Go

47
追悼ル=グウィン。ゲド戦記三部目。大賢人となったゲドが、王子アレンを連れて、魔法の力が尽きようとしている世界の混乱を収めるために旅立つ。この二人の関係性がこの物語の主題となっているようだ。「死」を間近に感じつつ、師弟として、また親子のような関係としてこの問題に立ち向かう彼らの姿に感動を覚える。最後の最後まで息を飲む展開が待ち受けている。★★★★★2018/01/29

NAO

20
ゲド戦記のテーマは、「生と死」。『影との戦い』で、ゲドは死者の霊を呼び出していたし、『こわれた腕環』は、死者が支配する世界との戦いだった。この『さいはての島へ』では、魔法の力を失い始めた世界を救うために、ゲドとアレン王子が旅に出る。人々の心に「死の不安」を植え付け、人をがんじがらめにしてしまう魔法使いの名が「クモ」とは、言いえて妙。壊れていく世界の描き方も見事だ。アレンはゲドの傍らで成長し、ゲドはすべての力を出しつくしてアレンに後事を託す。彼らもまた、人生のサイクルを表している。2015/07/06

ホンダ

11
個人的にはストーリーと同じくらい情景描写がスピリチュアルで特に良かった、奴隷船でハイタカが現れるシーンやカレシンが飛翔する瞬間など。内容は不朽の名作に相応しく、歳月で風化する事のない本物のクオリティを備えています。 ただ難解ではないのですが、1・2巻と同様読了までにかなり時間がかかりました。風景描写をイメージするのに苦労し、何度も読み返す箇所が多かったので。結構体力は使いましたが、それでも他の読書数冊分を回してでもこの本を是非読んで欲しい、それだけの価値がある物語だと思います。2019/09/22

ゆーいちろー

9
最初に読んだ幼少の頃、正直に言って物語前半のアレンのゲドに対する複雑な思いがよく理解できなかった。大学生のときの再読でも、ピンと来なかった。今回読み直して、尊敬しているからこそ感じる、先人に対しての疑惑や不満、とまどいがはじめて理解できたような気がする。それは自身の経験に照らせば、学生時代は何かと軽んじてきた父親のことが、社会に出て働くようになって、ようやくその苦労やあるいは、何かの折に感じたであろう思いを推測することができるようになった感覚に近いような気がする。大人になって読みたい物語である。2011/02/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/579368
  • ご注意事項