出版社内容情報
技術と倫理と.日々変化し,社会の動きを左右していく科学テクノロジーをどう教えるか.義務教育課程の理数系・技術系のカリキュラムの現状から,各専門分野の研究者間の連帯の難しさまで,縦横に問題を提起する.
内容説明
「幸福な科学」の時代は終わり、クローン技術や遺伝子組み替え食品の開発、環境破壊などさまざまな分野で、科学の応用の是か非かを問われる難しい状況が次々に起こっている。今、科学とどう向き合うか。子どもたちの無関心を超えて、教科の枠に縛られず、現代のテクノロジーの何を抽出し、どう教えたらよいのか。科学の発達の歴史を辿り、あまりにも複雑になってしまった学問領域のあり方の問題点をも見据えながら、これからの教育の方向についてダイナミックに提言する。
目次
1 人間の行動の結果としての環境
2 再定義を迫られる科学
3 科学の新しい方向
4 教育と「循環」のモデル
5 むすび
著者等紹介
吉川弘之[ヨシカワヒロユキ]
1933年生。一般設計学・ロボット工学。産業技術総合研究所理事長・日本学術会議会長・国際科学会議(ICSU)会長。東京大学工学部精密工学科卒。三菱造船を経て理化学研究所勤務。78年に東京大学工学部教授に就任、以降、生涯教育審議会会長、東京大学総長などを歴任。退任後、動燃改革検討委員会座長に就任、日本学術振興会会長をもつとめる。横断的、学際的な工学の開拓に力を注ぎ、設計行為をさまざまな定理群に分類してモデル化するという「一般設計学」を提唱。物質循環を生産サイクルの中に組み込むという「逆工場」という画期的な発想は、近年産業界に広く影響を与えている
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