出版社内容情報
明治から平成まで,逆境に立ち向かいながらも辛さ苦しさを感じさせることなく,しなやかに自らを貫き時代を生き抜いた,気風のいい女たち.樋口一葉,宇野千代,林芙美子,知里幸恵,和田英,相馬黒光,石井筆子,沢村貞子,谷洋子ら17人のひたむきな人生や心のあり方から,今を生きるうえで大切なものは何かを探る評伝.
内容説明
厳しい環境の中でも微笑みを忘れない。困っている人がいればほうっておけない。見栄を張らず自分をさらけ出す。男に媚びず、もたれかからない。金にきれいでいざとなれば啖呵も切れる。そんないさぎよくたくましい「きっぷ」(気風)のいい生き方とは。「きっぷ」を評価基準にして、女の生き方をながめてみたらどうなるだろう―。明治から平成まで、信念をもって時代を生き抜いた「きっぷ」のいい女たち。一七人のひたむきな人生や心のあり方から、いまを生きるうえで大切なものは何かを探る評伝エッセイ。
目次
樋口一葉―没落の中から格差を描く
与謝野晶子―泉の如く湧きいでる歌
宇野千代―幸福に生きるコツ
吉野せい―開拓にくわをふるうこと
林芙美子―貧困にめげない生来の放浪者
知里幸恵―自然から少しだけいただく生活
ラグーザ玉―思い切って南イタリアの陽射しの中へ
和田英―富岡製糸場にて役割を果たすこと
相馬黒光―新宿中村屋・文化サロンの女主人
石井筆子―三人の障害児とともに
神谷美恵子―召命感でハンセン病の島へ
野村かつ子―権威にならなかった消費者運動家
林きむ子―「美人」転じて舞踊の改革者
河崎きみ―“閣下”後藤新平を支え続けた半生
沢村貞子―察しとかなしみの下町文化
淡谷のり子―反骨・ブルースの女王
谷洋子―国際女優のさきがけ
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
作家。1954年東京都文京区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学新聞研究所修了。出版社勤務ののち、84年に地元で地域雑誌『谷中・根津・千駄木』(谷根千工房)を創刊、2009年の終刊94号まで編集人を務めた。歴史的建造物保存・活用のための市民活動にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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