魔法の種

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000248037
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

インド、イギリス、アフリカと、人生の実感を得られぬまま「自分の居場所」を求めて旅を続けてきたウィリーは、真の生き方を見出すべく故国インドのゲリラ活動に身を投ずる。 人生の「魔法の種」を求める精神の流浪に終着の地はあるのか? ポストコロニアル世界に置かれた虚構とも現実ともつかない生の姿を描くノーベル賞作家の最新作。

内容説明

インド、イギリス、アフリカと、人生の実感を得られぬまま「自分の居場所」を求めて旅を続けてきたウィリー・チャンドランは、ふたたび真の生き方を見出すべく故国インドに戻り、ゲリラ活動に身を投ずる。人生の「魔法の種」を求める精神の流浪に、はたして終着の地はあるのだろうか?ポスト植民地時代の歴史的現実を背景に、虚構とも現実ともつかない生の姿を描くノーベル賞受賞作家の最新作。

著者等紹介

ナイポール,V.S.[ナイポール,V.S.][Naipaul,V.S.]
1932年、インド系移民の3世として、カリブ海の島トリニダードに生まれる。1950年渡英。オックスフォード大学卒業後、創作活動を始める。小説を主に、紀行文・エッセイを含む多数の著作があり、イスラム諸国など第三世界を鋭く見つめる「現代史家」としても評価は高い。旧植民地出身の英語文学作家の旗手として、現代文学を代表する作家の一人。スミス賞、ブッカー賞をはじめとする多くの文学賞に加えて、2001年にはノーベル文学賞を受賞した

斎藤兆史[サイトウヨシフミ]
1958年、栃木県に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は、英文学・文体論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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lico

1
イギリス(支配者)とインド・アフリカ(被支配者)というそれぞれ異なる哲学、慣習の中でいきる人々の違いが鮮やかに描かれている。主人公は自身の哲学を持たないためにどちらの世界にも馴染むことができず(または馴染んだように見せかけることができる)、明確な哲学を持った成功者のマーカスと綺麗な対照をなしている。これら二つの国、二人の人物の違いを意識させながらも、その根底にある共通項を読者に呈示する落ちが素晴らしい。「世界に理想的な姿を求めるのは間違っている。そういうことをするから災いが起こるのだ。(333P)」2015/09/27

Keusuke Sakai

1
名言に満ち溢れた1冊ですが、極め付けはこれです。「世界に理想的な姿を求めるのは間違っている。そういうことをするから災いが起こるのだ。」歴史への冷徹な視線を感じました。2012/10/17

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