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豚を盗む

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  • サイズ B6判/ページ数 290,
  • 商品コード 9784000246262
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

去年まで住んでいた部屋の窓からは海が見えた。こんどの部屋からは一本の古い大木が見える。独身小説家の日々の暮らしは、あいもかわらず淡々と過ぎてゆく。「生きることの大半は繰り返し」とうそぶきながらも、なにげない出来事に注ぐまなざしは優しく、あたたかい。『ありのすさび』『象を洗う』に続く、好評のエッセイ集。

目次

1 小説のヒント(スカボローフェア;十年後のスパゲティ;十三年前の冬;リンゴのおいしい食べ方;バナナのおいしい食べ方;カトラリー)
十七歳
2 つまらないものですが。(ファーストキス;少数派;ほんとの話 ほか)
叔父さんの恋
3 豚を盗む(浴衣と爆竹の長崎;お国自慢;王様の生活 ほか)

著者等紹介

佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。83年に「永遠の1/2」で、第7回「すばる」文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

烟々羅

22
正直いって、佐藤正午という作家がいたことは忘れていた。文体模写を試みたくなる程度になじんだ文であるにもかかわらず、だ。 集められたエセイから佐世保に住む作家の息づかいと自意識が伝わってくる。「作家というのは、本を読むのに添削をしながら読んでしまうものだ」と読めばそうだな、と思う。作家でなくても思う。自分とはどういう存在かを文章にすることが習慣となり、正直に、少なくとも正直なふりをして作家という生き物はなにを考えているか書き続けた一冊は、読者にも自分が何者なのかを考えさせずにおかない。これは、そういう本だ。2012/03/28

こすも

17
岩波書店から出ているエッセイは出版順に『ありのすさび』『象を洗う』『豚を盗む』『小説家の四季』となっています。毎回のように登場してくる最高に美味いスパゲッティの話など、回を重ねるおかしさがあるので、できれば出版順に読むことをおすすめします。本作におさめられている文章は1980年代から2000年代に書かれ、20年のスパンがあるので、時代を感じさせる題材があったり、佐藤正午さんが若者らしい素直な感想を述べたり、なんといいますか…趣が深いです(笑)2018/03/20

アルパカ

5
いい人だなあ、読んでいて全く心がざわっとしたりいらっとしたりしない。荻原魚雷さんのエッセイで知って手に取りましたが、当たりでした。佐藤さんの著書を初めて読みました。ちなみにとても気になるタイトルは英語の「豚を盗んで骨を施す」という「大きな悪事を働いたあとで小さな罪滅ぼしをする」という意味だそう。佐藤さんの周りでは前半部分だけを取り上げて、小説家がある事実や出来事の都合のいいところだけを思い出して文章を書いて発表する行為として使っているそうです。長崎の佐世保というところに興味もわいてきました。2018/03/26

shizuka

4
小説やエッセイの好き嫌いはある。それは、小説やエッセイが優れているとかそうでないとかの問題じゃないことは、読み手は知ってる。紙の上の文字の並びを目で追っている時の心地よさ。佐藤正午は、その心地よさが抜群にいい。つまり、大好き!2016/08/09

りんご

3
エッセイ集。豚を盗む、って、なんだかコミカルな響きがあるね。由来は英語のことわざ「豚を盗んで骨を施す」=「大きな悪事の後で小さな罪滅ぼしをする」ということらしく、どうやらこの盗まれた豚は食べられてしまうようなのだけど。2022/11/25

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