出版社内容情報
幕末維新期を生き抜いた大任侠清水次郎長.その一代記『東海遊侠伝』を精緻に読み解き,公的世界から排除されたアウトロー次郎長の実像に迫ることで,幕末社会の厚みを描き出す.付録として『東海遊侠伝』全文翻刻を収める.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2023/02/21
tkm66
1
資料2003/12/23
ちあき
1
『東海遊侠伝』という史料の成立をたどりながら清水次郎長こと山本長五郎の実像に迫る本。清水湊の人口・産業を分析した章や、相撲と博徒の結びつきを詳述した部分が非常に興味深かった。付録扱いの『東海遊侠伝』にページの約3分の2をさいてあるのがもったいなく思えてしまうほど。なお、『遊侠伝』は痛快なピカレスクロマンを期待して読むと肩透かしを食うので要注意かもしれない。むしろ血みどろの抗争を記した幕末版『仁義なき戦い』に近い(意外に読みやすいしこれはこれでおもしろくはあるけれども)。2009/10/04