出版社内容情報
500年にわたる近代世界システムをウォーラーステインが総決算.資本主義を1つの歴史システムとして捉え,我々にもたらされたプラスとマイナスを冷静に分析.また,来るべき時代に社会が取り得る選択肢を大胆に予測する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
10
訳者いわく、ウォーラーステインの「世界システム論」のエッセンスが詰まっている本。『近代世界システム』での分析から演繹し、歴史上の資本主義がどのような構造で、どのような問題を抱え、今後どのように変化していくのかを論じている。前著の要約ではなく、本書はあくまで資本主義論。そのため具体例がほとんど出てこない。「具体例は前著で書いた(あるいはこれから書く)からいいでしょ」ということなのだろうが、私は割合短い本書を浩瀚な前著のとっかかりにしようかしらんと思っていたので、具体例が思いつかず、ピンと来ない箇所があった。2013/06/01
ちゅん
3
世界システム論の考えを15世紀誕生の資本主義に演繹させた論理展開。主張は明白。説明は少し冗長かと思いました。2018/02/07
Mentyu
3
大学院の読書会で使用した。ウォーラーステインの入門書として良書だと聞いていたが、確かに近代世界システム論の概要はこれを一冊読めばおおよそつかめるかなと。考古学(特に外国考古学)でも時々世界システム論が引用されていることがあるけども、ただ「周辺」と「中央」があるという話をしておしまいということが多いので、原典に当たってみることで得るものが大きかった。2018/01/17
facies_
2
『近代世界システム』から理論だけが抽出されており、該当する歴史事象を推測しながら読まないといけないため難易度高め。資本主義は辺境の人々をプロレタリア化させようとするのではなく、半プロレタリア化すなわち税金を支払うために賃労働はしつつもほかに生活の糧をもちより高い賃金を求めようとはしない状態が好ましいという話は非常に面白かった。また、社会主義運動とナショナリズム運動は反システム運動として同じ地平にあるという指摘は重要。2023/07/30
yasu7777
2
★★★☆☆2016/04/26
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- 和書
- ロイヤル英文法