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砂漠でみつけた一冊の絵本

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230117
  • NDC分類 019.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

息子・洋二郎の突然の死からしばらくの間、私は何もする気になれず、呆然と日々を過ごしていた。世の中がセピア色一色になり、生き生きとした動きが感じられない。心が乾ききった砂漠のようだった。そんなある日、何ヵ月かぶりに立ち寄った近くの駅ビルの書店で、気がつけば児童書のコーナーに立って、平積みの絵本を眺めていた。私の目はその中の1冊にくぎづけになった。私は少年時代に振り戻されるような感覚に陥った。荒寥たる砂漠をさ迷うなかで、突然緑にかこまれたオアシスに出会った感じだった。

内容説明

大人にとって絵本を読むこととは?絵本の豊かな世界は、生きることをいかに深く問いかけるのか。人生の体験を経た大人だからこそ発見できる絵本の読み方をわかりやすく説き、現代人の心の糧を探す。

目次

プロローグ いのちの泉・絵本との出会い
1 悲しみを心の糧に(「白い馬」の心がひらいた世界;六歳児が胸に刻んだ弟の死 ほか)
2 絵本がひらく新しい表現世界(星野道夫・写真と言葉の共振;「書」は心の舞のあと ほか)
3 おとなこそ絵本を座右に(おとなにすすめる絵本;生き方の転換・一七〇〇通の葉書 ほか)
4 心と言葉の危機の時代に(「おとなこそ絵本を」第二弾へ;絵本は人生の伴侶、家族の文化)

著者等紹介

柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経て、ノンフィクション作家に。1972年『マッハの恐怖』で、第3回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1995年『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』とノンフィクション・ジャンルの確立への貢献で第43回菊池寛賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おか

58
柳田さんは 人間は人生で三度絵本を読む時があると言う。私は 3度目の時である。この本を読んでいると 俄然絵本を読み進める気になる*\(^o^)/* 柳田さんは 息子さんを亡くされた後 「死」というものにじっと向き合い そして 絵本という表現に行き着かれたのであろう。この本の中で 彼が惹かれた絵本をその感想とともに照会しているが 照会された絵本 そしてそれに付随する小説を読んでみたいです。所で ここに照会されているゴリラの絵本の構想、ストーリーの作者が 同級生だったのには驚いた^_^2017/09/30

greenish 🌿

52
大人にとって絵本を読むこととは? 人生の体験を経た大人だからこそ発見できる絵本の読み方を解く ---ノンフィクション作家で、『ルリユールおじさん』などで知られる絵本作家・いせひでこさんのパートナーでもある柳田さん。《絵本は人生に三度》を提唱している。自分が子どもの時・子どもを育てる時・そして人生後半になってから。この本はそれぞれ《読み時》ごとに、砂漠に水が染み込むが如く、人の心へ絵本がどのように沁み渡っていくのか、実在のエピソードを交えて紹介してくれる。約100冊の沁みる絵本、できるだけ吸収していきたい。2014/01/26

KEI

43
絵本は子供の為のものばかりではない。「大人こそ絵本を」というキャンペーンを続けられてきた柳田氏の絵本に対する深い思い入れを感じます。絵本が大好きな私にとってとても嬉しい本でした。頑なになったり傷ついた心を、視野狭窄になりがちな視線を、現実的になりすぎ、想像力に乏しくなった事を、そっと絵本が後押ししてくれる様に思います。今日一日で読みたい絵本がかなり増えました^ ^2017/11/23

べすたん

32
朝の二時ころから続きを読み出して読了。友からの拝借本。人生には3度絵本を読み返すべきである。母親に呼んでもらい、子供に読み聞かせ、人生の後半自らの人生を思うとき絵本は重要な役割を果たす。子供のころには理解できなかったこと人生の理不尽なところや「死」という避けられない終焉と対峙し折り合いをつけるときに絵本は大切なガイドになる。フランダースの犬やスーホの白い馬などは理不尽さと死をテーマにしたといっても良い作品であることを知った。ともすれば目を背けてしまう死を子供、親、終盤で考えることが出来るのは絵本なのか。2014/08/19

り こ む ん

30
大人こそ絵本を。まったくもって納得する。チッカイ頃に読んだ同じ絵本を大人になった今読む。無邪気に漠然と楽しんでた、あの頃と違い。今は、深く感銘する事が多い。宮沢賢治などは、今、読むべき物語だとつくづく思う。短い文章と絵からなる絵本、長々と書かれたややこしい表現などない、そのシンプルさと凝縮された世界は、すぅーっと静かに深く心に届く。2014/02/08

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