出版社内容情報
息子・洋二郎の突然の死からしばらくの間、私は何もする気になれず、呆然と日々を過ごしていた。世の中がセピア色一色になり、生き生きとした動きが感じられない。心が乾ききった砂漠のようだった。そんなある日、何ヵ月かぶりに立ち寄った近くの駅ビルの書店で、気がつけば児童書のコーナーに立って、平積みの絵本を眺めていた。私の目はその中の1冊にくぎづけになった。私は少年時代に振り戻されるような感覚に陥った。荒寥たる砂漠をさ迷うなかで、突然緑にかこまれたオアシスに出会った感じだった。
内容説明
大人にとって絵本を読むこととは?絵本の豊かな世界は、生きることをいかに深く問いかけるのか。人生の体験を経た大人だからこそ発見できる絵本の読み方をわかりやすく説き、現代人の心の糧を探す。
目次
プロローグ いのちの泉・絵本との出会い
1 悲しみを心の糧に(「白い馬」の心がひらいた世界;六歳児が胸に刻んだ弟の死 ほか)
2 絵本がひらく新しい表現世界(星野道夫・写真と言葉の共振;「書」は心の舞のあと ほか)
3 おとなこそ絵本を座右に(おとなにすすめる絵本;生き方の転換・一七〇〇通の葉書 ほか)
4 心と言葉の危機の時代に(「おとなこそ絵本を」第二弾へ;絵本は人生の伴侶、家族の文化)
著者等紹介
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経て、ノンフィクション作家に。1972年『マッハの恐怖』で、第3回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1995年『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』とノンフィクション・ジャンルの確立への貢献で第43回菊池寛賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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