出版社内容情報
座標軸が見えにくくなってしまっている現在の状況を憂える二人の思想家が、物事の原点に立ち返って根源から物事を捉えなおす共同作業は、作家の死で実現しないまま終わった。本書は、作家が生きていたらという想定の下、哲学者が試みた作家との架空の対話を軸に、作家の未発表の遺作を含む単行本未収録の論考で構成する類のない、現代社会への刺激的考察。何を価値あるものと考えるか。生きた思想 (実践的知) とは何か。生のあり方を問う貴重な洞察的メッセージの数々。
内容説明
ベトナム戦争反対の市民運動(ベ平連)をリードし、護憲平和運動(九条の会)の中心として活躍してきた二人の行動的知識人が、民主主義や社会のあり方について本格的に論じあおうとした対話の計画は、作家の死で実現しないまま終わった。本書は、作家小田実が生きていたらという想定の下、哲学者鶴見俊輔が試みた小田実との架空の対話を軸に、時代に屹立する二人の思想家の思想のエッセンスを凝縮した形で収める。絶筆となった作家の未発表の遺作や生前最後の講演の記録、また哲学者の単行本未収録の諸論考で構成する刺激的考察。
目次
1 小田実との対話(鶴見俊輔)(小田実との架空対談;「人間チョボチョボ」の先進性 ほか)
2 オリジンから考える(小田実)(小さな人間の位置から;世直し大観)
3 哲学の効用(鶴見俊輔)(自己教育について;二〇一一年を生きる君たちへ ほか)
4 未定稿・トラブゾンの猫―My fairytale(小田実)
著者等紹介
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年生まれ。哲学者。ハーヴァード大学卒業。『戦時期日本の精神史―1931~1945年』で大佛次郎賞受賞
小田実[オダマコト]
1932年生まれ。2007年死去。作家。東京大学大学院在学中にハーヴァード大学留学。世界各地を旅して綴った『何でも見てやろう』がベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あきこ
壱萬弐仟縁
hepburn
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