英語という選択―アイルランドの今

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  • サイズ B6判/ページ数 204,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000222983
  • NDC分類 893.2
  • Cコード C0082

出版社内容情報

アイルランドの言語交替はどのように進んだのか。人々は今、ことばに対してどんな思いを抱いているのか。

内容説明

長い歴史があり書記法と文学の伝統もある一国の言語が英語に取って替わられる。最初はゆっくりと、あるときからは一気に。それは社会経済的要因と個々人の選択の結果として起きたことだった。アイルランドにおける言語交替はどのように進み、どんなことばを生んだのか。人々は今、ことばに対してどんな思いを抱いているのか。

目次

第1章 アイルランドというフィールド
第2章 ことばを引き継がないという選択
第3章 アイルランド語への思い、英語への思い
第4章 話者の言語意識にせまる
第5章 ことばのなかのアイルランドらしさ
第6章 ことばが変わること、替わること

著者等紹介

嶋田珠巳[シマダタマミ]
明海大学外国語学部准教授。2007年京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻言語学専修博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(東京大学大学院人文社会系研究科)、山形大学人文学部准教授などを経て2014年より現職。専門は言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふぁきべ

12
アイルランドは長きにわたってイングランド→英国に植民地支配を受けた歴史があるが、新大陸とオセアニアを除く多くの旧英国領の国と違い、英語がアイルランド人の大半の第一言語化しており、土着語のゲール語を学校で学ぶ状態になっているという。そういった英語化していく現状をアイルランド人がどう感じているいるかを丁寧に語っているが、思い入れが強すぎるせいか盛りだくさんになってしまっていているうえ、アカデミックな内容とそうで無いものもないまぜになっており、ややまとまりに欠ける印象。2023/04/05

Ecriture

12
アイルランド語から英語への言語交替はいかに生じ、言語の相互干渉はどのような言語(アイルランド英語・英語的アイルランド語)を生んだか。民族の歴史とアイデンティティはどう変容するか。フィールドワークも交えて現在のアイルランドの言語や文化を伝えている。英語への言語交替が起こってしまったアイルランドでは、入試で有利になることから子どもにアイルランド語の英才教育を施したり、夏は「英語禁止」の寄宿学校でアイルランド語を学ばせているそうだが、将来的に日本を含めた他の国にも起こりうることだと想像してみることも必要だろう。2016/10/26

mit

12
現在の「アイルランド英語」の特徴やそのアイルランド語からの影響を著者自身の体験を交えた解説、また現在のアイルランドにおけるアイルランド語教育の状況にアンケートによる意識調査を含めた解説が、主な内容である。英語教育により日本語がいつかアイルランド語のように使われなくなる日が来るかもしれないという想像はやや非現実的ではあるが、考えてみる価値がある。アイルランド語の歴史や、英語への交替が起きた歴史的背景についてはほとんど説明されていないのが残念である。2016/06/27

Nobu A

9
嶋田珠巳先生著書2冊目。16年刊行。先日読了の「言語接触」から導かれた本書。感想が難しい。著者の交換留学生としてアイルランドを訪れた経験から始まり、例えば「能格言語」等、学術的用語も使われ難解な一面も。一言言えるのはとても稀有な一冊。「言語はコミュニティを単位としては三世代あれば替わることが可能である」の重み。昨今の早期英語教育や社内英語公用化の動きを見ていると実利的や微視的視点に陥っていないかと不安を感じる。失って初めて分かることがある。本書が引用で引っ張りだこにならないように祈りたい複雑な気持ち。2024/02/04

Shun

6
言語交換が起きた国として、興味があったので購入。 日本も、英語と適切な距離を置かないと、言語交換が起き得るという危機意識を再確認した。しかし、アイルランドの英語では、”I am after taking three plates from the cupboad”のように、be動詞とafterで完了を意味する、時制について独特のニュアンスを含む文が存在するなど、アイルランド語やアイルランド文化を感じさせる表現もあるようだ。 日本手話と日本語対応手話の関連で学んだ言語接触についての考察が非常に興味深い。2018/08/17

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