海うそ

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海うそ

  • 梨木香歩
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 岩波書店(2014/04発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000222273
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

歩き続けること,見つめ続けることによってしか,姿を現さない真実がある.著者渾身の書き下ろし.

昭和の初め,南九州の離島(遅島)に,人文地理学の研究者,秋野が調査にやって来た.かつて修験道の霊山があった,山がちで,雪すら降るその島は,自然が豊かで変化に富み,彼は惹きつけられて行く.50年後,不思議な縁に導かれ,秋野は再び島を訪れる──.歩き続けること,見つめ続けることによってしか,姿を現さない真実がある.著者渾身の書き下ろし小説.


■編集部からのメッセージ
 昭和の初め,人文地理学の研究者,秋野は南九州の離島へ赴く.かつて修験道の霊山があったその島は,豊かで変化に富んだ自然の中に,無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて,秋野を惹きつけた.そして,地図に残された「海うそ」という言葉に導かれ,彼は島をひたすら歩き,調査に打ち込む――.50年後,秋野は不思議な縁で,再び島を訪れる.
 愛する人びとの死,アジア・太平洋戦争の破局,経済大国化の下で進む強引な開発…….いくつもの喪失を超えて,秋野が辿り着いた真実とは.
 本書は,作家梨木香歩さんによる,東日本大震災後初の書き下ろし作品です.震災後,梨木さんは喪失というテーマと格闘し,この渾身の小説を書き上げてくださいました.ぜひご一読ください.〈創業百年記念文芸〉

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

485
九州南部の沖合にある遅島。昭和初年にそこを調査のために訪れた人文地理学者の「わたし」の回想形式をとる。「わたし」は島の中の個々の地をめぐるが、ほとんど道らしい道もないところを難渋しながらも徒歩で回るがゆえに、植物も石も昆虫もつぶさに慈しむように記録されてゆく。そして、「海うそ」が茫漠の彼方にあった50年の時を蘇らせもし、また一瞬のうちに消失させもするのである。本編では、遅島という架空の島を仮構したことが成功に繋がっている反面、『冬虫夏草』に見られたような、地から発する強い確かさには及ばないようでもある。2014/10/25

風眠

325
「ただただ無心に漏れ来る光の林よ――」この帯の文章だけで酔える。この世のすべては流転し常に同じように留め置けない、変化し言葉だけが残る。昭和初期、かつて修験道の霊山があった南九州の離島を訪れた人文地理学者の秋野。島を巡り、集落、家屋、植物、遺跡などの調査をし、姿無きものの気配を感じる。そして50年後、その離島がリゾート開発されることとなり再び島を訪れる。そこで語られた婚約者の死の真相、かつての離島の美しさと不思議さ。「喪失」という言葉で繋がるふたつの点。移ろうことを享受するからこそ心に刻みつけられること。2014/09/10

めろんラブ 

299
学術系に強い出版社と梨木さんとの相性は最良と常々思っていた為、大いなる期待を胸にページを繰った。期待に応えてくれる作品は数あれど、期待を超える作品にはなかなか出合えない。本作とはその稀有な出合いが叶った。現時点での梨木worksの集大成かつ最高峰だと思う。さて、表現者にとって喪失との向き合い方は、3.11以降特に捨て置けないテーマでは。本作で梨木さんが辿り着いたのは、凄みを内包した喪失の受容。連綿と続く終わりの始まりに不変の確かさをみた。予め滅びを約束された存在の我々にとって、これはきっと福音の書となる。2014/05/30

さてさて

263
『私の訴えに共感し頷くものは、誰もいない。何もない。風が木々を揺らす音だけが、空しく、その言葉の真の意味において、空しく響いているだけだった』という年老いた秋野。圧倒的な余韻が襲ってくる読後に、この作品のタイトルともなった『海うそ』という言葉が浮かびます。それが本来はかないはずの存在であるが故に、逆に、深く、遠く、そして永遠へと人の心に残り続ける存在なんだと印象深く感じました。 なんて香り高いんだろう、なんて味わい深いんだろう、読後のなんとも言えない余韻に浸りながらそんなことを思った作品でした。2020/09/23

芽生

227
さっきまで見ていた夢の詳細を思い出そうと、その記憶を取り逃がすまいと必死になる朝があるーーそういう焦りや寂しさ、喪失感がある。人文地理学を研究する秋野は、調査のためタツノオトシゴのような形をした遅島を訪れる。影吹、龍目蓋、森肩、紫雲山、波音…。歴史の染み込んだ名が其処此処に残る土地の記録には、稀有な植物の匂いが漂う。場所には、誰かが生きた物語が在る。人はそこに在る確かな過去に、思いを馳せる。時間は、降り積もるものだ。夢を思い出せなくとも、目には眩しい陽の光が映る。その瞬間から、また、新しい日が始まるのだ。2017/02/02

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