出版社内容情報
青い空を赤く染める夕焼け.時々刻々と形を変える雲.日々目にする美しい風景を創り出す光と微粒子の物理を解説する.光を受けて,風景を認識する人の視覚についても考察する.宇宙物理学者が語る物理的風景学への招待.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まじぇすた
1
空はなぜ青いか。それはレイリー散乱によるものだよ、と一言で片付けられる人はこの本でもう一度熟考すると良いかもしれない。現象論的な説明になりがちな複雑な大気現象(と人間の視覚との相互作用)を、物理の基礎原理からの観点で要点をまとめている。あまりにも首尾よくまとまっているので一度読んだだけでは理解がついていかない。そのため再読(再勉強)は必須。熱力学と電磁気学を勉強しておくとなお良し、そうでなくとも物理学者の本質のみを捉え現象の核心にせまっていく感じが読み取れて良い。著者の勉強量がハンパないと思った。2013/06/12