出版社内容情報
金属の性質はふつう自由電子モデルで説明される.ところが,電子間の反発力が強い系である金属酸化物では,それでは説明のつかない新奇な現象が現れる.現象の背景にある物理と新しいエレクトロニクス分野への応用を展望する.
内容説明
金属の性質はふつう自由に動き回る自由電子モデルで説明される。ところが電子間の反発力が強い系(強相関電子系)では、それでは説明のつかない新奇で劇的な現象が現れる。それが典型的に見られるのが遷移金属酸化物だ。現象の背景にある物理を理解し、その物性を制御することができれば、まったく新しいエレクトロニクス分野が誕生する。第一人者がその思いを熱く語る。
目次
1 遷移金属酸化物(強相関電子とモット絶縁体;d電子軌道と遷移金属酸化物;モット絶縁体と電荷ギャップ)
2 金属‐絶縁体転移(バンド幅制御;フィリング制御;高温超伝導体)
3 スピン‐電荷‐軌道結合(巨大磁気抵抗;軌道‐電荷秩序;多彩な電子相)
4 強相関エレクトロニクス(臨界状態相制御;スピントロニクスとオービトロニクス)
著者等紹介
十倉好紀[トクラヨシノリ]
1954年生まれ。1976年東京大学工学部物理工学科卒業。1981年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。現在、東京大学大学院工学系研究科教授。専門は、固体物性、強相関電子系の相制御
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