出版社内容情報
自衛隊のイラク派遣をめぐって行われた取材・報道規制,週刊文春の出版差し止め,さらには政府に反対する発言へのバッシングなど,「言論の自由」が脅かされる事件が相次いでいる.これらの出来事の底流にあるものは何か.
目次
1 イラク派兵と取材・報道の自由
2 政府と反対する言論は許されないのか
3 出版差し止めと表現の自由
4 プライバシーの肥大化と表現の自由
5 強まる表現・メディア規制
6 言論の自由を取り戻すために
著者等紹介
田島泰彦[タジマヤスヒコ]
1952年埼玉県生まれ。上智大学法学部卒業、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。憲法・メディア法専攻。現在、上智大学文学部新聞学科教授。毎日新聞「開かれた新聞」委員会委員も兼務
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
3
2004年8月4日発行。発行後間もない頃購入したはずだが、10年以上放置。2004年当時のビラ配布に対する弾圧事件などは承知していたが、既に現実のものとなっていた表現の自由に対する規制にあまりにも無頓着だった。11年を経て、まさに本書の表題が現実味を帯び迫ってくる。特に、有事法制で「指定公共機関」という形で、NHKをはじめとする報道機関を政府の統制下に置くことを盛り込んでいることを再認識し、恐ろしくなった。末尾の「言論の自由擁護のための市民とメディアとの共同戦線の構築・強化」は焦眉の課題だと感じた。2015/12/05
星規夫
2
言論の自由は確実に制限されつつある、ということを少ないページ数で自覚させてくれる良い本だと思う。しかし、公権力批判という錦の旗の下にジャーナリズムを賞揚しながら、メディアの持つ権力性への言及が少ないのはどうかと思う。ジャーナリストが自身の傲慢さに自覚を持つことは難しい、ということも良くわかる。2012/05/28
ta-san
0
大学1年次のレポート参考文献。2009/11/13