岩波ブックレット
小学校でなぜ英語?―学校英語教育を考える

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  • サイズ A5判/ページ数 70p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000092623
  • NDC分類 375.893
  • Cコード C0336

出版社内容情報

2002年度から公立小学校でも英会話を教えることが可能になるが,理念の面からも教育効果の面からも問題が多い.「早く始めるほどよい」といった安易な議論の欠陥を明らかにし,学校英語教育の目的と目標を問い直す.

目次

1 議論のために押さえておくべきこと
2 「早く始めるほどよい」という幻想
3 真のコミュニケーション能力のために
4 学校英語教育は何をめざすべきなのか

著者等紹介

大津由紀雄[オオツユキオ]
マサチューセッツ工科大学にてPh.D.(言語学)を取得。現在、慶応義塾大学言語文化研究所教授。専門は、言語の認知科学

鳥飼玖美子[トリカイクミコ]
上智大学外国語学部卒、コロンビア大学大学院修士課程修了(英語教授法)。上智大学在学中より、同時通訳者として国際会議、テレビなどで活躍。2002年4月より、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授(研究科委員長)。専門は、英語教育、通訳・翻訳論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takao

5
2002年3月20日発行(2004年6月5日、第4刷)。小学校での英語導入に警鐘を鳴す。10年ぶりの再読。著者らの反対にもかかわらず小学校で英語が導入されてしまったが、今、小学校英語はどうなっているのか。本書では、学校英語についてのそもそも論から説き起こされていて、英語教育の専門家でもない私にも問題の所在が理解できた。「話すことだけに集中するのはむしろ時代遅れ」「国際化でまず必要なのは、小学校から英語を教えることではなく、論理的に考え、母国語でしっかり表現できるようにすること。」など頷く部分が多かった。2016/03/10

FK

0
どこまでいっても、植民地的状況と思わせられるこの「英語熱」である。戦 後まもない頃でもないのに、と嘆息するのみ。/異文化コミュニケーションの観点からいうと、文法的に正確な英語を話すことは好感をもたれ、文法的に間違いだらけの壊れた英語を書いたり話したりすると、教養を疑われる、というマイナスが出ます。不思議なことに発音が少々間違っていても、悪感情をもたれることはなく、むしろ、「外国人がしゃべっている」という注意喚起の表示になり(P.36) 2006/09/03

hugo

0
 テレビへの出演もあり、英語を教える立場にある鳥飼さんは、てっきり小学校英語教育推進派かと思い込んでいた。本当はバリバリの反対派のようだ。しかも2002年の時点でこれだけ反対しているとは・・・、またその論拠もしっかりとしている。  英語のみならず、コミュニケーション論にも触れているところが興味深い。この人は専門のみならず、いろんなことを考えているのだろう。  2002年時点からまた英語教育の状況が変わろうとしている。この人が最近どう考えているのかを知りたくなった。良書である。 2014/06/30

0010

0
日本語以外の言語を学ぶ時に、何が大事なのかを説明している本だと感じました。語学の基礎は言語によらず、なぜ語学が必要なのか、それを使ったらどういう世界が広がるのかを理解、想像することと感じました。 とても参考になりましたし、語学勉強のやる気が上がりました。2014/02/24

おおくま ねこ

0
この二人は、小学校での英語教育に反対の立場で意見を述べています。もちろん、賛成の意見も同様に存在するでしょうけれども、この反対意見の中で上げられている問題点について考えてみることは大切な事だと思います。

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