出版社内容情報
有名な「神は死んだ」という言葉で表されたニヒリズムの確認から始めて,さらにニーチェは,神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられたあるがままの人間存在は,その意味を何によって見出すべきかを問う.
内容説明
ニーチェ思想の核心をなす「永遠回帰」がついにツァラトゥストラの口を通して語られる。やがては神の国に救われることを夢みて安逸をむさぼる卑小な人間たち。嘔き気をもよおしながらも、そういう人間たちに生の真の意味をつきつけずにはいられぬニーチェの使命感が、芸術的感動をともなってわれわれの魂をゆさぶる。
目次
旅びと
幻影と謎
来ては困る幸福
日の出前
小さくする美徳
オリブ山で
通過
脱落者たち
帰郷
三つの悪〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GASHOW
5
ツァラトゥストラはこう言ったの上巻が終え、こちらのほうがボリュームがある。学者や研究者は大変だとか、これを専攻している学生も、これの試験をうけるとなると気の毒だとか思った。私には荷が重い。2017/06/01
じまじま
1
永遠回帰について輪郭をつかめた。 救いの神のいない世界、その中で生きる苦悩を肯定的に受け止める。 その先にある人間の超越を目指す。 生きていくことへの不安を感じながらもどう生きていくか、自分自身はニーチェからの激励と受け取った。2019/11/14
早乙女まぶた
1
下巻は永劫回帰のヴィジョンに繰り返し迫っていた印象。それはより良くするための繰り返しではなく、全く同じ人生を何度でも繰り返すという地獄のようなものであった。永劫回帰の根拠はよく分からないが、ニーチェの関心は、その確実性ではなくてそれを望むか否かにあった。少なくとも生に向き合う姿勢を問うための試金石としては優秀だ(天国や輪廻などの不純物を徹底的に取り除けられており、言い逃れできない強烈さがそのヴィジョンにあるため)。2013/07/20
goemon64
0
字が大きいから読みやすい。ニーチェの中では一番好きな本。弱ってる時読むと不思議と私は元気になれるんだよね2012/04/28