出版社内容情報
有名な「神は死んだ」という言葉で表されたニヒリズムの確認から始めて,さらにニーチェは,神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられたあるがままの人間存在は,その意味を何によって見出すべきかを問う.
内容説明
晩年のニーチェがその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作。有名な「神は死んだ」という言葉で表わされたニヒリズムの確認からはじめて、さらにニーチェは神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い、それに答えようとする。
目次
ツァラトゥストラの序説―超人と「おしまいの人間」たち
ツァラトゥストラの教説
鏡を持った幼な子
至福の島々で
同情者たち
聖職者たち
有徳者たち
賎民
毒ぐもタランテラ
名声高い賢者たち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GASHOW
4
なんだろう、ミュージカルを観ているような感じだ。言葉の韻をふんでいるわけではないが繰り返しがリズミカルだ。青年の主張のようで、宗教の教示のようだ。章末ごとに「ツァラトゥストラはこう言った。」と締めるのが面白い。2017/06/01
じまじま
1
詩的な表現でニーチェの考え方が示されている。 一見わかりにくく感じるが、その意味を自分で考える事まで含めてこの本を読むと言うことなのだろう。 ツァラトゥストラという架空の代弁者を通じて、現状の否定、新しい希望が語られる。 個人的には訳者の解説が秀逸であると思う。 翻訳に際して気をつけたことはもちろん。 本の概要わかりやすくがまとめられていて、復習に役立つ。 後編がまだ残っているので、そちらも時間を見つけて読み進めたい。2019/10/21
早乙女まぶた
1
物語形式でニーチェのドラマチックさが際立っている。おかげでだいぶ読みやすい。ニーチェの言葉はどれもテンションが高くて心に響く。仕舞い込んでおきたいと思う言葉だらけだ。そういった意味で詩的な鋭利さを常に宿していて何度でも読みたくなる。読みたいというより触れたいと思わせる。/「あなたがたの勤労は戦いであれ、あなたがたの平和は、勝利であれ!」「奴隷の幸福をまぬかれ、神々とその崇拝から解放され、恐れを知らず、他からは恐れられる偉大な孤独者、——こうした者でありたいというのが、真実に生きる者の意志なのだ。」2013/07/14
mila
0
ニーチェの著書はこれが初めて読みました 自分の中にあった宗教的概念への疑問が埋まった様な気がしました まだまだ理解出来たとは言えませんが2009/05/20