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出版社内容情報
アンデルセンが憧れの国イタリアを舞台にくりひろげた愛の物語『即興詩人』は,鴎外の格調高い文章によって紹介されて以来,広く人々の心を捉えつづけてきた.翻訳文学の傑作であり,明治文学史上記念すべき作品である.荘重華麗な訳文を音読によって味わえるよう難読語には徹底して振り仮名をほどこした. (校訂 川口 朗)
内容説明
原作が童話集ほどの名声を得なかったにもかかわらず、日本において今なお多くの読者をかちえ続けているのは、いつに鴎外の名訳にあることはいうまでもない。自由自在の語法と華麗でリズミカルな文章によって醸し出されるロマン的雰囲気は遙かに原作を凌ぎ、その後の日本文学に多大の影響を与えた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
49
イタリアを舞台にしたラブストーリーとのことですが、結局、下巻でも難しく、私には無理でした。外套に「ぐわいとう」とルビをふる当たり時代を感じ、それが心地よいけれど、難しい箇所が大半でした。2017/06/23
こうすけ
22
名訳として名高い、森鴎外訳・アンデルセン著『即興詩人』。ずっと積読していたけど、読み出すとかなり面白い。鴎外作品として楽しみました。味わい深い、いかめしい文語体で描かれる女優アヌンチヤタとの恋。思ったよりストーリーの起伏が大きく、読んでいて「えっ!」となることが再三あった。特に最後の展開は泣けた。漢字は多いし、シェイクスピアやホメロス、ダンテなど西洋文学の知識が求められるので、パラパラと読めるような本ではないけど、時間をかけてのろのろ読むのが得難い読書体験だった。この本片手にイタリア旅行に行きたくなる。2022/07/06
sshota0313
0
イタリアの名跡、祭りの賑わい、美術、美しい風景は読んでて良かったと思った。イタリアに行きたくなった。話はまぁ劇的でロマンチックではあるけどそれ程面白くはなかった。文語で訳されてるせいもあるかもしれない。アンデルセンの翻訳として読むならもっと現代訳のものを読んだ方が味わえると思うし、まぁ鴎外の初期の作品ということに重きを置けば読む価値はあるかもしれないと思った。後、展開が飛んでも既出のキャラクターをかませればそれ程突飛に感じないんだなという事を学んだ。2019/03/31