内容説明
素数の演じるさまざまな現象や実例を通して類体論や非可換類体論とは何かをわかりやすく説明する。さらに非可換類体論の進展がなぜフェルマーの最終定理や佐藤‐テイト予想解決に結びつくのかについて、その背景を丁寧に解説する。類体論から非可換類体論へと大きく転換しようとしている現代整数論の躍動が浮かび上がる。
目次
第1章 フェルマーからの流れ(フェルマーの最終定理;フェルマーが開いた類体論 ほか)
第2章 類体論とは(平方剰余の相互法則;2次体における素数の分解 ほか)
第3章 非可換類体論とは(類体論を越えて:非アーベル拡大;類体論を越えて:楕円曲線 ほか)
第4章 ガロア理論と類体論・非可換類体論(ガロア理論の心;ガロア理論の主定理 ほか)
付録
著者等紹介
加藤和也[カトウカズヤ]
1952年生まれ。1975年東京大学理学部数学科卒業。現在、京都大学大学院理学研究科教授。専攻は数論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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LUNE MER
15
全4巻構成とのことだが、果たして第2巻すらも予定どおり発刊されるのであろうかという心持ちでおらねばならないのが加藤先生。それはさておき、この1巻だけでも知的好奇心がグイグイ触発され、ここで語られる理論を駆使して思う存分数学が出来たとしたらなんと幸せなことだろうかと夢想する。(あくまで夢想。学生時代に本当に数学の才能がある人たちを目の当たりにし、接することが出来ただけでも価値ある日々だった。)ちなみに加藤先生の著作は地の文が柔らかく、数学書は硬く難解だというイメージからはちょっと外れている名著が多い。2020/07/16
セシル☆
2
類体論→フェルマーの最終定理→ラングランズ(非可換類体論)の流れを分かりやすく噛み砕いてお話にした本。全4巻らしく、色々なことを先延ばししてるがまだ続巻が出てない(?)ので楽しみにしてます。2016/07/15
515hikaru
0
数学書としては読んでいない。前半の2章、 Dirichlet 指標くらいは知っている状態でかなり雑に読んだ。面白かった。2016/02/03