出版社内容情報
夜空に輝く光の十字架やリング….謎めいたその姿は,巨大な天体の重力によってゆがめられた光の像だった! 重力レンズ発見の歴史から,それを巧みに利用して宇宙の謎に挑む最新天文学まで,注目される重力レンズのすべて.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
14
一般相対性理論によると、(巨大な)星や銀河によよって生じた空間のゆがみによって光が曲げられ、レンズ効果が起こるとされている。その観測例はどんどん増加してきていて、そこから新たな研究分野もどんどん派生してきているという状態らしい...その最新情報の紹介。ただし、発行は1997年なので、現在ではちょっと古い記述も。まぁ、基本は変わっていないのですが。2015/01/18
Nonberg
10
空間の歪みによって光学レンズを通すように彼方の天体が見える「重力レンズ」現象。天文に関心のある中高生にもおすすめの良書です。数式を使わず、理論の基礎となる一般相対性理論、初の実例となる1979年のツインクエーサーの発見、宇宙の起源・膨張・物質密度の究明にはたす意義などをわかりやすく解説。'97年の発行後、研究は進み、系外惑星の発見にも寄与しています。'08年にハッブル宇宙望遠鏡がとらえた天体写真"エイベル1689”は、おとめ座銀河団の重力レンズ効果によって遠方の銀河が円弧状に写る、美しく深遠な一枚です。2020/12/16
ねね
10
重力レンズについて簡潔に解りやすく説明し、その可能性についても書かれた本。相対性理論のややこしい計算などは用いず、でもきちんとそれを予想し、発見する手順まで説明されてるから凄くありがたい。また日本ではまだまだ世界に立ち後れた分野であることも紹介されている。90年代に書かれた本ではあるけど、天文学の世界では「古い情報」に値せず今でも新鮮な分野であることに、遠い時間を隔てた事を研究する学問であることを実感。プリンストン大学訪問の話もさらりとあり、筆者の喜びが見えて嬉しくなる2014/05/09
takao
2
アインシュタインの予想2024/01/10