スカイツリーから目薬―森羅万象をとらえる数学

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000055383
  • NDC分類 423
  • Cコード C0041

出版社内容情報

「二階から目薬」よろしく,東京スカイツリーのてっぺんから目薬を一滴落としたら,どこに落ちるでしょう? 「真下に落ちるに決まってるじゃない!」と言うなかれ.風が吹いたら,とか,現実には地上に到達するまでに蒸発してしまう,などということは無視するとしても,真下に落ちるとは言い切れないのがおもしろいところ.地球の自転を考えに入ると……!?
 ほかにも投手を中心に回転する野球場で放ったホームランは,打者からどう見えるかなど,荒唐無稽に見えて,実は身近な物理現象の解析につながる問題を16問用意しました.細かな事柄は気にせず身近な現象を,数学的にどんどん解析していきます.力学の初歩を近似的に説明したり,理想化して説明したりするのに簡単な数学を積極的につかっているのが特徴.その鮮やかな手法には大胆な点が多く,導かれた結果にも驚かされるでしょう.飯箸薫さんのイラストも脳を刺激します.
 高校で頭ごなしに覚えさせられていたことの本当の意味が理解でき,思い込んでいた事実もくつがえされます.力学への理解をもっと深めたい,数学をつかって遊びたい,という方に絶好の書です.思いっきり楽しんでください!

関沢正躬(せきざわ まさみ)
1944年長野県飯田市生まれ.1967年東京理科大学理学部卒業.東京学芸大学教育学部教授を経て,現在,東京学芸大学名誉教授.専門は微分幾何学.著書に『面積のひみつ』,『わかって楽しい算数教室1~6』,『算数があぶない』(以上,岩波書店),『直線と平面』,『微分幾何学入門』,『解析幾何学入門』(以上,日本評論社),『数の理論入門』(丸善)などがある.

はしがき

第1章 菓子屋のあるじの損はいくらか?――不変量

第2章 走って来てスケートボードに飛び乗ると?――運動量

第3章 転覆したボートをすばやく救うには?――運動エネルギー

第4章 木から落ちるサルの運命は?――自然落下

第5章 どこから見ようか? 打ち上げ花火――放物運動

第6章 月は地球に向かって落ちているのか?――万有引力

第7章 月ロケットに作用する引力は?――重力加速度

第8章 スカイツリーのてっぺんからの目薬の一滴はどこへ行く?――地球の自転

第9章 回る球場で野球をするために心得るべき事柄は何か?――コリオリの力

第10章 傘の縁から飛び出す水滴はどこへ行く?――遠心力

第11章 鉄一貫目と綿一貫目はどちらが重い?――浮力

第12章 振り子の振れ幅を大きくする方法は?――単振動

第13章 起き上がり小法師はどんな軌道を描くか?――ころがる円周上の点の移動

第14章 弦楽器の音を調節するにはどうする?――弦の振動

第15章 玉のれんのゆれ方を予測できますか?――基準振動

第16章 どうすればくるくると回れるだろうか?――角運動量

索 引

岩波書店ホームページより

内容説明

力が作用すれば物が動く。本書では、だれもが知っているこの現象を解析する。取り扱う力の大部分は重力。他には、ひとつの物体が他の物体に衝突するときの力だったり、人がブランコをこぐ力だったりするが、解析する現象は、だれもが身近に観察しているものばかりである。実際には、それらの現象ではひとつの物体にいくつもの力が同時に作用しているにちがいない。それを考えに入れて、身のまわりの現象を精密に記述するのは専門家にまかせよう。私たちは、解析する現象を単純化し、身のまわりの現象を近似的に、理想化して考える。たとえば東京スカイツリーのてっぺんから一滴の目薬を落としたとき、現実にはこの一滴は蒸発してしまい、地上に到着しないだろう。しかし、そういうことには頓着せず、塔のてっぺんから落下する一滴の運動を熱心に論じる。力学の理解をもっと深めたい、数学で遊びたい人へ。

目次

菓子屋のあるじの損はいくらか?―不変量
走って来てスケートボードに飛び乗ると?―運動量
転覆したボートをすばやく救うには?―運動エネルギー
木から落ちるサルの運命は?―自然落下
どこから見ようか?打ち上げ花火―放物運動
月は地球に向かって落ちているのか?―万有引力
月ロケットに作用する引力は?―重力加速度
スカイツリーのてっぺんからの目薬の一滴はどこへ行く?―地球の自転
回る球場で野球をするために心得るべき事柄は何か?―コリオリの力
傘の縁から飛び出す水滴はどこへ行く?―遠心力
鉄一貫目と綿一貫目はどちらが思い?―浮力
振り子の振れ幅を大きくする方法は?―単振動
起き上がり小法師はどんな軌道を描くか?―ころがる円周上の点の移動
弦楽器の音を調節するにはどうする?―弦の振動
玉のれんのゆれ方を予測できますか?―基準振動
どうすればくるくると回れるだろうか?―角運動量

著者等紹介

関沢正躬[セキザワマサミ]
1944年長野県飯田市生まれ。1967年東京理科大学理学部卒業。東京学芸大学教育学部教授を経て、東京学芸大学名誉教授。専門は微分幾何学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

27
地上に落ちる前に蒸発する(表紙見返し)。 一滴は634m落下中に空中で 消える。 詳細は第8章に見られる。 物理の本に思われる。 数式が多い。 各章冒頭に問題があり、 解きほぐしていく構成。 それらは日常生活で 浮かぶ疑問になっている。 全体的に数式が多く、 抽象的な印象を抱く。 この具体的な問題と 抽象的な説明の ギャップを読者は どう解釈するか。  例のスカイツリーは、毎秒 4.6㎝ぐらい早くてっぺん は地上よりも自転している (97頁)。  2014/06/10

水生クレイモア

11
日常に見られる物理現象を数学的に検証する過程が書かれている。問題の出し方も面白いと思う。2016/02/28

kozawa

2
タイトルの件ではスカイツリーから目薬を落としたら地球の自転等を加味して、みたいなのを著者的にはまじめに計算してみたいに、色々な「運動」等を計算したりする本。数式(若干スケールが大きい程度で実感できる範囲内の「値」入り)を読んでおもしろい人ならおもしろく読めるでしょう。数字の頭の体操にはありでは。2013/06/30

ともぞぉ

1
タイトルに惹かれ手に取った。身近な物理現象の解析を試みた本。割と熱心に数字を使って力学、運動を論じている。2013/12/13

takao

0
坪井忠ニの「力学物語」から着想の大部分を得ているとしているだけあって、数学というより物理である。2018/11/13

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