出版社内容情報
子どもは単に真似することで話せるようになるのではない.無意識に文のパターンを知り,文法を作らずにはいられないからそれが可能なのだ.そして言語習得に見られる能動性は音楽,視覚,思考,文化など他の領域でも見出せる.
内容説明
ヒトの子どもは聞いた言葉を単に真似ることによって話せるようになるのではない。無意識のうちに文のパターンを知り、文法を心(すなわち脳)のなかに作らずにはいられないから、言語を身につけることが可能なのだ。さらに、音楽、視覚、思考、文化など人間知性の他の領域に目を向けても、言語習得に見られるのと同様の能動性を見出すことができる。ヒトは誰でも言語を話し、理解する。これは明白な事実である。しかし、だからといってそれを説明するのも簡単であるわけではない。著者は本書で、私たちが言語をもつための必要条件をじっくりと検討し、そこから得られるヒトの性質についての深い洞察を示している。
目次
1 根本の論証(問題にたどり着く―生まれと育ちの論争;メンタル文法があるという論証 ほか)
2 メンタル文法の構成(音韻構造;統語構造 ほか)
3 言語に生物学的基盤があるという証拠(子どもはどのようにして言語を習得するか;普通でない状況での言語獲得 ほか)
4 言語以外のメンタル能力(経験を構築するという論証;音楽と視覚 ほか)
著者等紹介
ジャッケンドフ,レイ[ジャッケンドフ,レイ][Jackendoff,Ray]
1969年、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)にて言語学で博士号を取得。1971年より現在まで、ブランダイス大学教授。研究分野は、言語学(一般文法理論、意味論、統語論、語彙論)、概念の理論、認知、心の構成、音楽理論、意識、社会認知など、多岐にわたる。アメリカ言語学会、アメリカ哲学心理学会の会長を歴任
水光雅則[スイコウマサノリ]
京都大学教授、高等教育研究開発推進センター及び(大学院)人間・環境学研究科外国語教育論講座。研究領域は英語学と科学哲学。大学英語教育の見直しなども行っている。コンピュータで自習する英語教材Listen to Me!のシリーズ制作にも参画
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