内容説明
確率微分方程式は、ひとことでいえばランダムな揺らぎをもつ常微分方程式であり、偶然が支配する現象の記述に用いられる。本書では、確率微分方程式と数学の諸分野あるいは物理・工学・経済などとの関わりが理解できるように、簡単な例を提示する。また、数学以外の分野を学ぶ読者にも、数学の基礎知識(例えば測度論)については付録で補えるよう配慮をした。本書の前半では測度論的確率論の骨格を述べ、マルチンゲールについて解説する。後半では確率積分の定義を与え、それによって確率微分方程式を導入し、その基本的な性質について述べる。さらに発展的話題として確率偏微分方程式を取り上げる。岩波講座「現代数学の基礎」からの単行本化。
目次
第1章 はじめに
第2章 Brown運動
第3章 マルチンゲール
第4章 確率積分
第5章 確率微分方程式
第6章 無限次元確率微分方程式
付録
著者等紹介
舟木直久[フナキタダヒサ]
1951年生まれ。1974年東京大学理学部数学科卒業。東京大学大学院数理科学研究科教授。専攻は確率論、解析学、数理物理学
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