出版社内容情報
近代のプロジェクトは終焉したのか.ヘーゲルからハイデガーにいたるドイツの思索,デリダ,フーコーらのポスト構造主義やポストモダン論を俎上にコミュニケーション的理性の筆は冴える.
内容説明
バタイユ、フーコー、カストリアディスそしてルーマンらの言説のうちにモダンとポストモダンの本質をえぐりだし、近代ははたして終焉したのか問いかける。
目次
8 エロティシズムと一般経済学―バタイユ
9 理性批判による人間諸科学の正体の暴露―フーコー
10 権力理論のアポリア
11 主観哲学を脱出する別の道―〈対話的理性〉〈主体中心性理性〉
12 近代の規範的内容
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
かなり古い本ではあるが。「バタイユは道徳批判の問題に立ち至る。これはまた、マクス・ヴェーバーの宗教社会学への橋渡しにもなっている。アルカイックな儀礼から世界宗教への発展について、あるいはユダヤにおけるプロテスタンティズムまでの宗教的発展の歴史について、バタイユはそれを倫理的合理化の道であると解する。この発展の歴史において宗教上のさまざまな根本概念が道徳化され、それにともなってまた宗教的経験そのものが霊性化されてきたのであり、その極点にルターとカルヴァンが立っているとされる」2019/01/26