内容説明
当代随一の“戯れ絵師”の手になるエッセイは、舌鋒鋭くかつ洒落心にあふれ、読者の心をとらえて放さない。本書には、今までに新聞・雑誌等に掲載されたものの中から、自選の六一編を収録。世の中を憂い、似顔絵や芸能・文化を語り、家族と街を想う…軽妙にして痛快な現代批評から、心温まる思い出話まで、どの一編にも著者好みの粋が光る。
目次
一級幸福士
イッセー尾形への対し方
ろ過とは…
「バカ」を愛す
似顔絵とイラストレーション
二十世紀を決定した眼
邦題よ、さらば…
ヘンな話
ヘン歴
東京あるき〔ほか〕
著者等紹介
山藤章二[ヤマフジショウジ]
1937年東京に生まれる。武蔵野美術学校デザイン科卒業。広告会社をへて、64年独立。講談社出版文化賞(70年)、文藝春秋漫画賞(71年)、菊池寛賞(83年)などを受賞。紫綬褒章(2004年)受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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座敷童
3
山藤氏の文章にいちいち頷いてしまうのは年齢なのだろうか。 今の日本に大事なことが書かれているように思うのだが。2016/08/21
ライム
1
イラスト界の大巨匠のエッセイ集。 興味を引いたのは、作家吉行氏との話。 巨匠がまだ知名度の低いとき、吉行氏を含む3人の作家の似顔絵入りの、毒のある風刺画を雑誌に掲載。すると吉行氏が雑誌連載していた対談の相手として呼ばれた。「あなたの絵を見て意地悪とは思わない。正しく見た毒は、見られる側にとっても、むしろいいんだ」とコメント。どちらも、普通では出来ない行為だ。最近は、作家の似顔絵を描く人がいなくて寂しい。2022/12/11