出版社内容情報
いま,もてはやされるブロードバンドは経済の救世主になるのか.ネットワーク社会の実像(ネットワーク・リアリティ)をもとに,北欧や中国,韓国と比較分析し,日本を根本的に変えていくシナリオを描き出す.
内容説明
もうネット社会に幻想はいらない、いま実像こそ必要だ。豊富な調査データを基に北欧や中国、韓国、アメリカを比較分析しながら、日本のネット社会の実像(ネットワーク・リアリティ)を浮き彫りにし、低迷する日本を根本的に変えていくシナリオを描き出す。
目次
第1章 繰り返されるITバブル(「九〇年代情報化」―ITの革新性と多様な期待;乖離する期待と現実―「ビットバレー」と「ITバブル」 ほか)
第2章 日本社会におけるネットワーク・リアリティの形成―堅調さと不適応性(「デジタル三種の神器」―堅調な日本のIT産業と限定的な景気浮揚効果;コンピュータ生産性のパラドクスと「GPTアプローチ」 ほか)
第3章 産業社会の「成熟度」とIT―「近代デジタル都市・北京」と産業経済成長の論理(北京の家庭の「整然さ」―プレモダン・モダン・ポストモダンの共存;産業社会の発展における技術の役割と産業社会の「成熟度」 ほか)
第4章 「ネットワーク社会」と「デジタルカプセル社会」―「つながる」ことに価値を見出す韓国情報化(韓国「ブロードバンド大国」化の経緯;「ブロードバンド・マルチメディア」市場の限定的産業経済効果 ほか)
第5章 ポスト高度消費社会(PACS)へのシナリオ―「消費情報社会」の次のネットワーク・リアリティへ(「縮小期における産業社会の発展」という課題をつきつけられた日本とIT;「社会増強力としてのIT(IT as Enabler)」と四つの力 ほか)
著者等紹介
木村忠正[キムラタダマサ]
早稲田大学理工学部助教授。ニューヨーク州立大学大学院、東京大学大学院で文化人類学を専攻。東京都立科学技術大学助教授、東京大学社会情報研究所客員助教授などを経て現職。現在、CS/CATV・朝日ニュースター「ニュースの深層」火曜日キャスターも務める。インターネットを中心にした情報ネットワークと社会、文化との関係、「情報社会」に関する理論的・実証的研究を主な研究領域とする。著書に『デジタルデバイドとは何か』(岩波書店、電気普及通信財団テレコム社会科学賞、日本社会情報学会優秀文献賞)など
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