出版社内容情報
「コトバ=民族」という概念に反し外国人が「日本語を書く」ということは,せつなくも本物の越境行為だ.日本語を母語としない西洋出身者で日本語の作家となったアメリカ人の,体験的日本語論と〈越境〉をめぐるエッセイ.
内容説明
日本語を母国語としない日本語の作家リービ英雄の、体験的日本語・日本文学論と“越境”をめぐる鮮烈なエッセイ。
目次
ぼくの日本語遍歴
塀の外で
想像への畏敬―大和路をゆく
伝記なき先駆者たち―表現そのものの歴史
日本語を書く部屋
言霊の再発見
「日本にいる」ことのアイロニー
日本語の「所有権」をめぐって
「世界文学」から「ワールド・フィクション」へ
「表現のことば」新たな輝き〔ほか〕
著者等紹介
リービ英雄[リービヒデオ]
1950年、アメリカ生まれ。少年時代を台湾、香港で過ごす。1967年にはじめて日本に移り住み、以降、日米往還をくり返し、その間プリンストン大学大学院博士課程修了、プリンストン大学、スタンフォード大学で日本文学の教授をつとめ、1982年、『万葉集』の英訳により全米図書賞を受賞。朝は『日本書紀』、昼は大江健三郎を講義するというジャパノロジーの研究室とスタンフォード大学の教授職を40歳直前に辞して、東京に定住。以降、日本語による作家として活躍。アメリカ人の家出少年をあつかった処女作『星条旗の聞こえない部屋』(講談社)は、西洋出身者が日本語で書いたはじめての現代文学として高い評価を獲得し、第14回野間文芸新人賞を受賞。また、1996年刊行の『天安門』(講談社)は芥川賞候補となって、終戦から半世紀ぶりに中国大陸を等身大に描いた日本文学として注目を浴びる。他の作品に『日本語の勝利』『アイデンティティーズ』『国民のうた』(以上、講談社)、『新宿の万葉集』(朝日新聞社)、『最後の国境への旅』(中央公論新社)などがある。世界に類を見ない、西洋世界から非西洋世界・言語へと越境したワールド・フィクションの書き手である
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ちあき
hachiro86
kana0202
昭和っ子
木南木