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探偵小説の社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000012928
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

言説としての探偵小説は,近代社会の成り立ちと深い関係を持っている.近代とは何か,それはいまどのように変質しつつあるのか.19世紀から今日までの探偵小説の歴史を素材に,モダンとポストモダンの布置を描き出す.

内容説明

探偵小説の誕生は、近代社会の成り立ちと深く関係している。都市の群集と遊歩者から浮かび上がってきた探偵という新しい「主体」は、近代について、そしてその解体についてなにを語るだろうか。近代のまなざしと知覚と知の様式に働く力を「探偵小説」を素材に描き出す。

目次

第1章 猫と探偵と二十世紀(起源と模倣;猫と探偵;探偵とは誰か;ある興味;ディスクールの不安)
第2章 緋色の研究(ザディグの方法;デュパン、あるいは深さのゲーム;緋色の研究;最後の挨拶)
第3章 探偵小説の屈折と戦争(ABC;義眼のなかの動機;童謡殺人;都市の名づけえぬ顔;狂気の通路)
第4章 探偵のディスクール(想起と眠り;遊歩、蒐集、そして探偵;解釈の詐術)

著者等紹介

内田隆三[ウチダリュウゾウ]
1949年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。社会理論・現代社会論専攻。著書に、『消費社会と権力』『さまざまな貧と富』(以上岩波書店)、『柳田国男と事件の記録』『ミシェル・フーコー』『テレビCMを読み解く』(以上講談社)、『社会記序』(弘文堂)、『生きられる社会』(新書館)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あなた

7
基本的に精神分析とミステリはその発祥が相互的な関係にある。探偵とは、精神分析医のことであり、犯罪者の抑圧している無意識を言語化するのが探偵なのである。また、探偵小説は、読者の謎解き欲望もひきたてる、というのは実はゴシップ新聞の三文記事が確立した時代背景にもとづいている、とか。もちろん、ベンヤミンの破片を蒐集する遊民との関係も整理してある。「探偵」を社会現象の一環としてとらえたいひとにおすすめしたい。ただし、現代においてこのような「探偵主体」は不在であり、榎木津のように現代の探偵は「キャラ萌え」要素に2009/07/25

子音はC 母音はA

1
探偵が近代社会を触媒にして誕生したのがわかる。第1章の日本での探偵小説の起源と成立の辺りが興味深い。後半部分の章はまだまだよく掴めてないが、何度も再読して掴むに値する。ジジェクは今までノーマークだったけど、此れを読んで触れたくなった。2014/07/12

D.N

1
これは面白い 個人的には内田隆三の本の中で一番面白いかも このパラダイムにそって現代ミステリをみるとどうなるのか気になった2009/10/08

伊崎武正

0
クリスティやドイルに言及していたけど、わかりにくかった。2014/10/04

ヤマニシ

0
「そもそも「緋色の研究」が成り立つのは、人間の運命のうえに幾重もの時間の地層が重ねられ、その名前や外観がすっかり変わったとしても、世界の思いがけない深さを追っていくことにより、その人間の同一性を何とか確定することができる場合である。(...)深さとはある同一性がそこに貯えられ、書きこまれるような深さだからである。」(p108-109)2022/03/19

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