山河寂寥 〈下〉 - ある女官の生涯

山河寂寥 〈下〉 - ある女官の生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000009065
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

平安時代,清和,陽成天皇のころ権勢を振るった藤原一族のなかで尚侍の要職についた藤原淑子.彼女の生涯とは何だったのか.藤原家の野望とは.天皇とは誰か.杉本歴史文学が6年の歳月を経て,ここに完成する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Totchang

10
藤原淑子の一生を通して当時の宮中の有り様を描いた作品です。読み馴れない漢字の名前が多く出てきてあたふたします。作者の杉本苑子氏によれば本作品で藤原氏の歴史は描き切ったとのこと。凄いですねぇ。百人一首のこの歌くらいしか私の知識にはない時代のことです。「筑波嶺の峰より落つる男女川 恋ぞつもりて淵となりぬる」陽成院2018/08/05

珂音

9
怖いです。帝を含め権力の中枢にいるのはほとんどが同属血縁で藤原北家の権勢を堅固なものにしようという大きな目標は一致するものの、個々のレベルでは我が子我が孫を帝位に高位に就けたいと画策する。相手の腹を読み違えたら手痛い報復は免れない。その中で最後まで生き残った淑子は一番の策士だったって事ですね2010/08/11

チャック

4
平安時代に天皇がころころと代わった理由がわかりました。自然災害も天変地異として御代替わりしたこともありますが、藤原氏による空恐ろしい政治です。自分に藤原氏の血が流れていることを嫌悪している天皇がいたんですね。 天皇よりも上皇の方がお気楽に生きられる、苦笑しました。 穢土荘厳以来の杉本氏の大作を読んで疲れましたが、日本語が美しいのに感動しました。2020/07/07

星落秋風五丈原

4
主人公は藤原淑子。正妻の娘ではないが、ひょんなことから叔父の 良房の目にとまり、中宮明子に仕えることになる。叔父良房や兄基常 の巡らす政治的陰謀を見て育った淑子は、したたかに、自分の養子を 帝位につける策略を巡らすまでに成長する。 この時代、結構いろんな事が起こっています。 藤原高子といえば、在原業平との恋愛が伊勢物語にも登場しますし、 漫画「陰陽師」に怨霊として登場する菅原道真も登場します。 この人の文章のせいなのか、どろどろした雰囲気はありませんでした。 興味のある方はどうぞ。2005/09/16

フィガ郎

2
下巻は、基経の一人舞台から時平の時代へ。淑子は、最後に頼れるのは自分のみという孤独感に苛まれながら、力強く生き抜いてゆく。阿衡事件では、天皇家、摂関家、学者たちの思惑が複雑に絡み合っていて楽しく読めた。在原業平や、菅原道真の活躍と没落も分かりやすく記されていた。2013/05/29

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