出版社内容情報
平安時代,清和,陽成天皇のころ権勢を振るった藤原一族のなかで尚侍の要職についた藤原淑子.彼女の生涯とは何だったのか.藤原家の野望とは.天皇とは誰か.杉本歴史文学が6年の歳月を経て,ここに完成する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くっちゃ
9
長良から産まれた基経らが、子に恵まれなかった良房の養子になったあたりから、藤原氏天皇家の血縁関係が一気に複雑化する。誰と誰がどういう続柄なのか全然覚わらないが、物語を通せば(ある程度は)頭に入ってきて面白い。というかこうしてみると淑子基経高子といい、もうちょっとあとになれば大きな乱を起こす純友(長良の曾孫)といい彼の子孫て直系以外もかなり活躍してるのね。姉の有子らが文徳天皇を毒殺したことを知り、嫌悪感どころか、寧ろ自分も同じ舞台に立ちたいと願う藤原の血を強く感じる淑子の今後の行動に期待2018/02/14
Totchang
7
藤原朝臣良房薨去2018/08/02
キムチ27
7
主人公淑子・・女として後に位人身を極めた女官。滑り出しはいとも儚げ。まるで蜉蝣の脱皮の如く、幼少時を描いている。平安時代の貴族としては道長以外は良房と基経しか知らなかったけど、彼女はまさにその筋。藤原北家。 如何にして権謀術数を駆使し、閨閥を張巡らし、女の寝技を持って昇っていくかが裏面史を見る様に解る。 際出たモノは幼少時に、「その技」が秘めた素質としてのオーラを発している事も。 小説を持って歴史を学ぶべきでない!と云いつつも、まんべんなく円熟藤原期を学べる感じ。定省が宇多帝に!下巻へ2013/04/07
珂音
7
平安時代の初め、宮中に渦巻く政治や陰謀を一人の女官の目を通して描く歴史絵巻。11歳で出仕した淑子は正義感溢れる利発な子だったが長じて叔父藤原良房、異母兄基経らと共に勢力争いの渦中に自ら入って行く。 昨日の友は今日の敵、うかうかしてると寝首をかかれる。宮中はなかなかスリリングです。2010/08/09
チャック
3
一気に読んでしまった!( ´ー`)フゥー... 感想は?下巻を読んでから書きます。2020/07/06