出版社内容情報
国際政治を大国(「極」)間の問題として捉える従来の理論では,国際構造の変動における「非極」(第三世界,民族解放運動など)の役割を解明できない.極―非極の対抗関係のなかに平和と紛争のダイナミズムを位置づける.
内容説明
国際政治を大国(「極」)間の関係として捉える従来の理論では、現代の国際構造の変動における「非極」(第三世界、民族解放運動など)の果たす役割は解明できない。本書の「非極モデル」は、非極の動向に焦点をあて、極―非極の対抗関係のなかに平和と紛争のダイナミズムを位置づけ、現代の国際紛争の動態と平和への方途を展望する。国際政治の理論的枠組みを問い直す意欲的な問題提起の書である。
目次
第1章 国際構造と紛争―いかに捉えるべきか(現実主義モデルと国際政治学;装置の解体―「脱構造」の論理)
第2章 内戦と冷戦―「下から」見る視座
第3章 力と相互依存―何がどう変わったのか(ナショナリズムと核軍事化;経済力のジレンマ)
第4章 国際構造と外交―戦後日本の軌跡を分析する(敗戦と制憲;講和と「第三世界」;安保から経済摩擦へ;重商主義の矛盾)
第5章 外交への提言―何をいかになすべきか(「リアリズム」外交の虚妄;虚構の防衛政策;三たび「ヨーロッパ近代」のモデルをめぐって;日本の生き方)