出版社内容情報
19世紀末,誕生間もない映画が,明治の日本を記録していた.カメラが発見した,思いがけない笑い,切り取られた風景.世界をめぐった視線の欲望は,映画の20世紀を予告していた.グラフィティ・映画事始め.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
19世紀末に、"映画の父"リュミエール兄弟の会社が日本にカメラマンを派遣した。そのカメラマン達が撮影した、日本最古の映像を多方面から分析しながら、何故日本に関するフィルムが多いのか、何故芸人の映像が多いのか、などこの映像が持つ意味合いを探っていく。当時まだ映画という言葉は無く、シネマトグラフだった。「食事」と言う割に何も食べてない映像、冬なのに裸で作業する農民達など、不自然なものがあるのは何故か?に着目していくと、映像が事実ではなく、撮る側の見たいもの、見せたいものを映してしまうという特性が見えて来る。2012/07/24
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