内容説明
地震学の草創期、防災地震学のために一身を捧げた国民的地震学者・今村明恒の波瀾に満ちた生涯の軌跡。関東大震災を予言して「地震博士」と庶民に慕われ、私財をなげうって地震予知の壮大な観測網を設置し防災の急を訴えながら、第二次大戦のために痛恨の挫折を余儀なくされた一科学者の稀有なドラマが、今ここに甦る。
目次
序章 「地震博士」
オランダ語大通詞の末裔
「二足のわらじ」
論争と屈辱と
不幸な決着
煙霞荘の人
地震予知への情熱
終章 小さな死亡記事
著者等紹介
山下文男[ヤマシタフミオ]
1924年岩手県の三陸海岸生まれ。祖母ら一族8人が明治三陸大津波で溺死。自らも小学生の時、昭和三陸大津波の恐怖と東北大凶作を体験。1986年以降「歴史地震研究会」会員として著作と津波防災活動に従事。1991年『津波ものがたり』(童心社)で「日本科学読物賞」「北の児童文学賞」。2000年「日本自然災害学会賞(功績賞)」
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