内容説明
日清・日露戦争後の師団・聯隊増設の国策に伴い、軍隊を誘致した久留米。広大な土地の献納と多額の寄附金をもっての、官民挙げての活動の成果であった。建設工事や各種手配などで国・軍部の意向に時に翻弄されながらも、街は道路や通信などインフラが急速に整備され、活況を呈してゆく。そして物価高騰や地域・業種間など様々な格差、農地減少と離農、水源枯渇など“負”の代償も―。藩政末期から戦後の軍部解体期まで、資料で辿る国内有数の軍都の姿。
目次
第1章 軍都の舞台 久留米
第2章 軍隊の誘致
第3章 軍は地域に何を求めたか
第4章 兵営の建設
第5章 かくして軍都となった
第6章 久留米への選地理由
第7章 軍は何をもたらしたか―久留米市の発展
第8章 地域の人々と軍隊
第9章 発展の陰で
終章 「軍都久留米」の終焉
著者等紹介
山口淳[ヤマグチアツシ]
1953年、久留米市御井町に生まれる。同志社大学にて考古学を学ぶ。1979年、久留米市役所入所(埋蔵文化財発掘調査員)。文化財保護課にて歴史資料類の調査、収集、保存などに従事。その後、退職前3カ年間は久留米市立中央図書館勤務。2014年、定年退職。久留米市立北野図書館嘱託職員を3カ年勤め、職を辞す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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