内容説明
福岡・豊前が生んだ水平運動・農民運動の指導者田原春次。反差別の社会運動と移民支援に力を尽くしたその軌跡を辿る。さらに、松本治一郎旧蔵資料、堺利彦関係資料などを駆使し、独立系水平社・自治正義団、堺利彦農民労働学校の系譜が担った社会運動の地域的展開、戦後への継承を鮮明に描き出す。福岡部落史研究会創立五〇周年記念出版。
目次
第1章 被差別部落青年田原春次の自己形成―田原ルイザ聞き取りと所蔵写真
第2章 第三期堺利彦農民労働学校移動講座―満州事変期の全農総本部派
第3章 高松結婚差別裁判糺弾闘争前後の田原春次と松本治一郎―松本治一郎旧蔵資料(仮)の検討を通して
第4章 一九三六、三七年総選挙前後の田原春次と松本治一郎―全国水平社の国政進出
第5章 独立系水平社・自治正義団と堺利彦農民労働学校―対抗的公共圏の形成
第6章 戦時下の田原春次―堺利彦農民労働学校の再編過程を中心に
第7章 書評とエッセイ
著者等紹介
小正路淑泰[コショウジトシヤス]
1961年、福岡県行橋市生まれ。1984年、九州大学法学部卒業。政治史・社会運動史。公益社団法人福岡県人権研究所副理事長。初期社会主義研究会編集委員。日本社会文学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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