内容説明
桶狭間の戦いは、奇襲ではなく偶然の勝利だった。「人間五十年」と信長が舞ったのは、能の「敦盛」ではない。「麒麟」の花押に込められた信長のねらいとは何か?帰蝶(濃姫)を活躍させた犯人は司馬遼太郎である。明智光秀ほど演劇の題材となる武将はいなかった…信長はいかに記録され、どのようにフィクションで描かれてきたか。信長像をアップデートする!
目次
若き日の信長と織田一族
今川義元と桶狭間の戦い
美濃攻め
堺と茶の湯
信長と室町幕府
元亀の争乱
本願寺と一向一揆
長篠の戦い
中国攻め―摂津播磨を含む
信長の城
信長と女性
信長と天皇・朝廷
武田攻め(長篠以降)
明智光秀と本能寺の変
著者等紹介
堀新[ホリシン]
1961年生まれ。共立女子大学教授
井上泰至[イノウエヤスシ]
1961年生まれ。防衛大学校教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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楽
23
20年。いまだに太田牛一『信長公記』は一次史料でないとしてマウントを取る輩を見かけるが、「信長死後の編纂という意味では二次史料」だが「牛一は史実に執着し、当時のメモだけでなく関係者に取材して著述しており、一次史料に近い評価が確立している」(堀新)■もはや本能寺の変に謎はほぼないが、桶狭間や長篠はまだ未解明の部分があるようだ■小瀬甫庵『信長記』や『総見記』などが創作したと考えられる逸話は意外と多い。戦後の小説やゲームが与えた影響も無視できない2022/12/03
mittsko
9
信長の「全体像」(実像×虚像)をめぐり、実証史学(一次資料にこだわる)を軸にしつつ、文学研究(二次資料を活用する)を同等にクロスオーバーさせる一冊。歴史学と文学の共同作業、「共謀」がうつくしく果たされている。結果、歴史学に対しては、二次資料の生産的な利用法を提言するとともに、史実確定にまぎれこむ研究者の関心、価値観をあぶり出す方法をも示す、というわけ。行き届いてる、すばらしいなぁ…(。・ω・。) ※ 本書は、積み重ねた共同研究の成果である由。姉妹編として『秀吉の虚像と実像』(笠間書院,2016年)がある2021/02/15
やすにぃ
2
⭐️⭐️⭐️2020/09/27