内容説明
江戸の大衆文化を作りあげた書肆たちの活動とは。断片的な情報しかのこされていない、享保期以前の江戸出版会とその文化を明らかにする。
目次
第1編 近世前期における江戸出版界の諸相(貞享・元禄期における三都の出版書肆―西鶴本板元を中心に;元禄末年の江戸出版界―上方との係わりにおいて;正徳・享保期における江戸出版界と上方浮世草子―『武徳鎌倉旧記』出版の背景;中山道関連書籍の出版に見る三都本屋仲間の相克)
第2編 文芸の創出と出版文化―物語の要素に映る社会(近世前期文芸における大神宮と伊勢参宮;『好色五人女』巻二「情を入し樽屋物かたり」における「ぬけ参り」の意味;遊女となった息女―『武家義理物語』巻五の四「丸綿かづきて偽りの世渡り」の視点)
第3編 江戸書肆万屋清兵衛(開業時期の様相と出自;営業初期の出版活動;営業地と所付の問題;松葉貞倚―出版活動・執筆活動素描)
付表 万屋清兵衛出版年表
著者等紹介
速水香織[ハヤミカオリ]
1974年三重県生まれ。2007年、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了。博士(文学)。中京大学非常勤講師、同朋大学非常勤講師、皇學館大学文学部助手を経て、信州大学学術研究院人文科学系日本文学分野准教授。専門は日本近世文学、出版文化史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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