全訳 男色大鑑(武士編)

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全訳 男色大鑑(武士編)

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784909658036
  • Cコード C0095

出版社内容情報

井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る!殺されたい、愛するお前に...。おお、これが究極の純愛というヤツなのか。

井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る。

若衆と念者の「死をも辞さない強い絆」は、常に焦点ととして描かれる三角関係の緊張感とともに、長い間、誠の愛を渇望して止まぬ人々の心を密かに潤し続けてきた。

世界の奇書として名高い『男色大鑑』。全集でしか読めなかった作品群が、わかりやすい現代語と豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]の挿絵によって鮮やかに息を吹き返す。

天才、井原西鶴による300年前のストーリーが今ここに復活。魅惑の古典世界への道しるべが、ここに登場。古典文学は、ここから学ぶと絶対楽しい!



本書は『男色大鑑』八巻中、前半の武家社会の衆道に取材した作品四巻までを収録(後半の四巻は2019年6月に刊行予定)。

現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。



●本文より

「今の思いはどうだ。これでも白状せぬか!」

と仰せられた。小輪は右手を差し出して、

「この手で兄分をさすりましたゆえに、さぞかしお憎しみは深いことでしょう」

と言うと、殿は飛びかかってその手も斬り落としておしまいになった。

〈巻2の2 傘持つても濡るる身〉より



「御貴殿を深くお慕いしております証拠には......」

と同時に肩を脱ぐと、

団之介の左腕には「嶋村」、内記の左腕には「藤内」と名字と名前をそれぞれ刺青して、

「御貴殿に逢わないうちからこの通りです」と見せた。

〈巻2の5 雪中の時鳥〉より

・カラー口絵(あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ)

・[図解]若衆図(若衆とその髪型)

・巻頭言 初めての古典が『男色大鑑』でもいいんじゃないか(畑中千晶)

・お読みになるまえに こんな現代語訳を目指しました/こんな「おまけ」も付けました



全訳 男色大鑑〈武士編〉開幕!



序 男女の恋は間に合わせ、男色こそ恋の本道



巻1

1 色はふたつの物あらそひ―男が男に恋する二十三の理由

2 此道にいろはにほへと―この道ひとすじ「一道」先生、少年二人の恋路見守る

3 垣の中は松楓柳は腰付―病気平癒の祈願を続けること半年、ついに美少年と恋仲に

4 玉章は鱸に通はす―煮え切らないなら、愛する兄分だって斬り捨てる

5 墨絵につらき剣菱の紋―丹之介を救った大右衛門、恋は幸せな結末のはずだったのに



巻2

1 形見は二尺三寸―信玄公と共に戦ったこの刀、これで仇を討ってくれ

2 傘持つても濡るる身―俺もいつかは兄分を持ち、その方を可愛がりたい

3 夢路の月代―ぬしの唾は恋の味、すくいあげて飲みほし申す

4 東の伽羅様―離れていてもおそばにいます、動かぬ証拠はそのかけら

5 雪中の時鳥―ホトトギスのためならば、ボクらのすべてを捧げます



巻3

1 編笠は重ねての恨み―恥辱を晴らすは衆道の義、武士に劣らぬ稚児の心根

2 嬲りころする袖の雪―雪責めしたのは、ただお前だけだと言ってほしかったから

3 中脇差は思ひの焼け残り―死んだあいつの願いを叶えるために「走れ、半助」

4 薬は効かぬ房枕―叶わぬなら殺してしまえ美少年、お前こそ殺してやろう野暮男

5 色に見籠むは山吹の盛り―純愛か狂気か、ひたすら見つめ続けた、最強の追っかけ



巻4

1 情けに沈む鸚鵡盃―遊女に飽き、妻に先立たれ、最後に行き着くところは

2 身替りに立名も丸袖―愛する人の代わりに死ねますか。男色の意気地が奪った三人の命

3 待ち兼ねしは三年目の命―世にも奇妙な三角関係、知らぬは松三郎ばかりなり

4 詠めつづけし老木の花の頃―シワシワな君に恋してる、君は永遠の若衆だから

5 色噪ぎは遊び寺の迷惑―武士編の最後は、許嫁と結婚。これでいいのか



解説1 

マルチOS西鶴の『男色大鑑』(畑中千晶)

一、西鶴その人

二、西鶴の文章

三、『男色大鑑』という作品



解説2 

男色の楽しみと衆道の歴史(染谷智幸)

一、はじめに

二、男色、二つの世界

三、浄の男道

四、若衆の意気地と武士の綺羅

五、おわりに



あとがき―そして、歌舞伎若衆編へ。なんと作者西鶴が登場!(染谷智幸)



・執筆者プロフィール

染谷 智幸[ソメヤ トモユキ]
著・文・その他/編集

畑中 千晶[ハタナカ チアキ]
著・文・その他/編集

佐藤 智子[サトウ サトコ]
著・文・その他

杉本 紀子[スギモト ノリコ]
著・文・その他

?口 順一[ハマグチ ジュンイチ]
著・文・その他

浜田 泰彦[ハマダ ヤスヒコ]
著・文・その他

早川 由美[ハヤカワ ユミ]
著・文・その他

松村 美奈[マツムラ ミナ]
著・文・その他

あんどう れい[アンドウ レイ]
著・文・その他

大竹 直子[オオタケ ナオコ]
著・文・その他

九州男児[キュウシュウダンジ]
著・文・その他

こふで[コフデ]
著・文・その他

紗久楽 さわ[サクラ サワ]
著・文・その他

内容説明

殺されたい。愛するお前に。究極の純愛!あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ、超豪華!イラスト陣!

目次

序 男女の恋は間に合わせ、男色こそ恋の本道
巻1(色はふたつの物あらそひ―男が男に恋する二十三の理由;此道にいろはにほへと―この道ひとすじ「一道」先生、少年二人の恋路見守る ほか)
巻2(形見は二尺三寸―信玄公と共に戦ったこの刀、これで仇を討ってくれ;傘持つても濡るる身―俺もいつかは兄分を持ち、その方を可愛がりたい ほか)
巻3(編笠は重ねての恨み―恥辱を晴らすは衆道の義、武士に劣らぬ稚児の心根;嬲りころする袖の雪―雪責めしたのは、ただお前だけだと言ってほしかったから ほか)
巻4(情けに沈む鸚鵡盃―遊女に飽き、妻に先立たれ、最後に行き着くところは;身替りに立名も丸袖―愛する人の代わりに死ねますか。男色の意気地が奪った三人の命 ほか)

著者等紹介

染谷智幸[ソメヤトモユキ]
茨城キリスト教大学教授

畑中千晶[ハタナカチアキ]
敬愛大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

17
密通で殿に右手落とされ、更に不義相手を「さすったからお憎いでしょう」と挑発、残る手も斬られつつ反転、後姿もご覧じろ…と斬首される若衆! 18、19で前髪落とさねばならぬ美少年愛はまさに「時分の花」。だが、老いても髪型変えず関係続ける例も。衣装コード厳しいだけに幼年が成年に、また逆に化けるなど様々な愛の形描かれる。1687年作、つまり1785年脱稿の性愛極北なサド「ソドム百二十日」の百年前かと感慨。江戸中期、実戦はないが武士としてマコト・情・道や筋(スジ)=意気地を通し、流血沙汰や死の話多い(コメントへ続2019/12/22

辺辺

14
図書館本。西鶴の「男色大鑑」というのが全八巻四十話の短編集。この武士編は前20話の超訳である。毎日寝る前に一話ずつ読んで、やっと読み終えた。色っぽいシーンが全くない(レーター除く)が、寧ろ日本人らしい奥ゆかしさが滲み出てなかなか面白い。武家の男色のキーワードはなんといっても「意気地」「志」と「情け」。武士編では血生臭な「死」というのが避けられないが、人としての情が全編に澄み渡っている。極めて穏やかで品の良い物言いの中に最良のエロスが織り込まれている感じ。これは後半の歌舞伎若衆編も楽しみになってきましたね。2019/05/23

波璃子

13
井原西鶴「男色大鑑」の現代語訳。古くから男の嗜みともされた衆道。切腹に果たし合いと一度の恋でそこまでするのか、と思うほど壮絶だった。序で西鶴が男色はこんなに良い!女はダメだ!と熱弁を振るっているのも面白い。江戸時代の風俗としても楽しく読めた。次巻の歌舞伎編も楽しみです。2018/12/18

べる

12
西鶴の男色物語の描き方は直接的ではなく、連想の網の目を辿って行った先に意外と大胆に最良のエロスがある。月も山も桜も、あらゆるものが二重三重に意味をもつ古典文学においてそこに気付くことが古文を読む楽しみ。西鶴は長年俳諧に親しんでいたから、少ない言葉で豊かな世界を描き出すことができる。原文に立ち返って読みたくなった。男色を彩るキーワードは意気地、志、情け。自分の命を捨てる覚悟で信念を貫く心の強さ、愛の強さが見えた。死によって自身の生が全うされるという感性があり、主君への忠義を示して命を捨てる場面が多々あった。2021/12/18

きなこ

0
小説本文とあらすじで文章のテイストが違いすぎて受け入れにくかった。 本文は現代語訳とは言え、やや硬めの文章。一方のあらすじは、オタクのノリを持ち込んだような寒めの文章。“はるたん”とか、元ネタ好きな私から見ても引いちゃう……。そもそも時事ネタは時間が経つと意味が伝わらなくなってしまって危険な気もする。 重めの文も軽めの文も嫌いじゃないけど、そんなにポコポコ頭を切り替えられる程、私の脳は上手に対応をしてくれないのです。 挿し絵は作品ごとにイラストレーターが違うから、クオリティもだいぶ違う。2019/01/25

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