新しい韓国の文学<br> 少年が来る

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新しい韓国の文学
少年が来る

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784904855409
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。

もくじ

一章 幼い鳥                   

二章 黒い吐息                  

三章 七つのビンタ                

四章 鉄と血                   

五章 夜の瞳                   

六章 花が咲いている方に             

エピローグ 雪に覆われたランプ          

訳者あとがき

ハン・ガン[ハン ガン]
1970年韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。
1993年季刊「文学と社会」に詩が、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇にデビューした。
現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授。
『菜食主義者』で、韓国で最も権威ある文学賞、李箱文学賞を受賞、また2016年国際的に権威ある文学賞の1つマン・ブッカー賞国際賞を受賞。その他の作品に、短編集『麗水の愛』『私の女の実』、長編小説『黒い鹿』『あなたの冷たい手』『風が吹いている、行け』、散文集に『そっと静かに歌う歌』『愛と、愛を取りまくもの』などがある。
小説のほかに、絵本『雷小僧、天女稲妻、小僧天女』、大人のための童話『涙の箱』『わたしの名前は太陽花』などがあり、童話の翻訳も多数手がけている。韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、東里文学賞など受賞多数。

井手 俊作[イデ シュンサク]
1948年、福岡県生まれ。
1974年、早稲田大学政治経済学部卒。
新聞社勤務を経て2009年に韓国文学作品の翻訳を始める。
訳書に崔仁浩の小説集『他人の部屋』と小説『夢遊桃源図』。

内容説明

光州事件から約三十五年。あのとき、生を閉じた者の身に何が起きたのか。生き残った者は、あれからどうやって生きてきたのか。未来を奪われた者は何を思い、子どもを失った母親はどんな生を余儀なくされたのか。三十年以上の月日を経て、初めて見えてくるものがある―。丹念な取材のもと、死者と生き残った者の声にならない声を丁寧に掬いとった衝撃作。『菜食主義者』でマン・ブッカー賞国際賞に輝いた著者渾身の物語。

著者等紹介

ハンガン[ハンガン]
韓江。1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業後、1993年に季刊『文学と社会』に詩を発表、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇デビューした。韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、李箱文学賞、東里文学賞などを受賞し、2016年『菜食主義者』はイギリスの文学賞、マン・ブッカー賞国際賞に選ばれた

井手俊作[イデシュンサク]
1948年、福岡県生まれ。1974年、早稲田大学政治経済学部卒。新聞社勤務を経て2009年に韓国文学作品の翻訳を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

81
戒厳軍の武力鎮圧によって殺された民間人168人、負傷者4782人、行方不明406人。韓国の民主化を求める学生や市民が多数死傷した「光州事件」を題材にしたハン・ガンの連作小説。「姉ちゃんの居る所に行こう。でも姉ちゃんはどこに居るのだろう。僕を殺した人たちの居る所に行こう。でも彼らはどこに居るのだろう。君の居る所に行こう」と死体となった君が語る『黒い吐息』がいい。死せる者よ、安らかなれ。2019/10/21

aika

49
40年前、韓国・光州、そして今も香港で。夢であってほしい、お願いだからもう戦わないで、どうか殺さないで。そう祈りながら読むほかありませんでした。友達と自転車で駆け抜けた夏の日、大好きな姉とふざけて過ごす時間、少年たちや青年の何気ない日常と、彼らが民主化闘争の末に残虐な銃撃や拷問で命と生を失う瞬間の対比には、あまりの衝撃と動揺で、ただ文章を目で追うことしかできませんでした。生き残った者も、死んで行く者も、あるはずだった未来に去られた宿命が滲む独白に、少年の母の言葉に、文学の根源的な力を感じさせられます。2019/09/29

松本直哉

44
遺体安置所の描写から始まる光州事件の流血の弾圧が、静かに語りかける二人称の文体によって、過ぎ去ったことではなく、生き残った者をいまも疼かせる現在進行形の痛みとして現前する。私たちは気高いという錯覚の中に生きているだけで根本的に残忍な存在なのではないかという重い洞察。主の祈りを最後まで唱えられない。人の罪を赦すなんてできない。子宮に棒を突っ込まれて何回もほじくられるような拷問のあとでは。いかなる宗教も慰めにならない。生き残ってしまったという恥辱と戦いつつ、検閲で真っ黒に塗られた中にわずかに残る言葉を紡ぎつつ2017/10/21

星落秋風五丈原

44
本編の語り手と人称は次々と変わる。瞬時に命を亡くした少年達は後世に何も残せなかった。彼等に代わって思いをぶちまけるのは最終章『雪に覆われたランプ』で、事件を作品にしようと考えた作家―事件当時はソウルにいた光州出身の著者―だ。 「始めるのがあまりにも遅かったと私は思った。(略)   しかし今やって来た。どうしようもない」この小説は来るべくしてこの世に出てきた作品だ。年月をかけて届いた、少年のこの言葉を絞り出すために。「なぜ僕を撃ったんだ、僕をなぜ殺したんだ。」この問いに、胸を張って答えられる大人はいるのか。2017/02/14

ケイティ

32
ハン・ガンさん初読みです。民主化運動の光州事件を題材にした作品ですが、告発やドラマチックなフィクションでなく、ごく普通の市民たちの届かない、上げられない声への鎮魂歌のよう。事件について基礎知識と映画でも把握していますが、この作品が一番重く余韻もあった。あえて詳細な設定や背景を描かないからこそ、その凄惨かつ容赦ない圧力が生々しい痛みを伴う。つらい読書になるだろうが、この声があって現在があり、そもそもそのような国家になった歴史を辿ると、決して隣の国だけの話では終わらない。忘れないし、もっと知っていきたい。2022/07/18

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